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たまえなく過去へ押し戻されながら(後編)>>1 ページ20

バンッと大きな音を立て扉が開く。

「!?」

その扉から無数の手が出てきてガシッと谷崎を掴んだ。
谷崎は叫び声をあげながら、扉に引き寄せられる。
モンゴメリがニッと笑うと、扉はバタンッと閉まった。

「またお友達が増えちゃったわ!嬉しいわね、アン!なあに?まだ欲しいの?それじゃあ……」

ギロッとモンゴメリは敦を睨みつける。
それと同時に、アンが敦に向かって来た。
敦は足を虎化してアンの手を避ける。
アンは奇声を上げながら、敦を必死に捕まえようとしている。
だが、敦も負けじと手を避けて避けて避けまくる。

「すごいすごい、(かる)(わざ)()みたい!もっと見たいわ!」

モンゴメリはその様子を見てぱぁぁっと笑顔になる。
アンの攻撃速度だけなら芥川と同等以上だ。
(ぼん)(やり)していたら、一瞬で捕まる事を、敦は判っていた。

「何て力強くて便利な異能なんでしょう。さぞ幼少から皆にちやほやされたに違いないわ。」
「……」
「貴方、元孤児なのですってね。あたしも孤児院育ちなの。とても寒い所よ。凍ったみたいな水で、一日雑巾がけをした後は何日も指の痛みが取れなかったわ。それに、あたしの異能はこんなだから、皆から気味悪がられちゃって。貴方がさらわれた時、探偵社は必死に捜したそうね。素敵だわ。きっと、貴方が良い異能を持っているからね。」

ペラペラとモンゴメリは自分の過去を語る。

「僕は……」
「あたしも異能を買われて組合(ギルド)に拾われたの。けど組合は失敗を許さないわ。今回の作戦をしくじったら、汚れた紙ナプキンみたいに捨てられる。そしたら、また独りよ。そんなのって信じられる?」

モンゴメリはワンピースの裾を震えた手でぎゅっ…とにぎる。

「ねえ、なぜ貴方なの?なぜあたしではないの?」

その言葉を云ったモンゴメリの目は、氷のように冷たく、光が無かった。

「不公平よ。貴方も、あたしの気持ちを思い知るべきだわ。この部屋の中で、永遠にね」

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設定タグ:少々カゲプロ , 男主 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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菓海手(プロフ) - 皆、コメントちゃんとみてね!!!! (2016年6月20日 20時) (レス) id: bf2b99e4e9 (このIDを非表示/違反報告)
菓海手(プロフ) - キーワードの『少々カゲプロ』をおして、続編である『蛇を操る少年(仮)は、探偵社のなかで最年長……らしい。【文豪ストレイドッグス・男主・マンガ沿い。4】』をご覧ください。 (2016年6月19日 14時) (レス) id: bf2b99e4e9 (このIDを非表示/違反報告)
菓海手(プロフ) - 実は、この小説をつくったアカウントが無くなりまして、しかもパスワードも忘れてしまい新しいアカウントを作ったので、続編として4をつくりました。 (2016年6月19日 14時) (レス) id: bf2b99e4e9 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 面白いですね、更新頑張ってください。応援してます!! (2016年6月1日 1時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - あの一中の生徒ですか? (2016年5月29日 10時) (レス) id: 7ac5ab82e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菓海手 | 作成日時:2016年5月28日 22時

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