奇病専門の病院内の日常風景。【リレー小説】【募集企画】 (ページ1)

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普段の朝 / 明日川夕ページ1

朝、目が覚めた。
"いつも通り"声が聞こえる。
相も変わらず賑やかで、でも静かな声達が。
声に集中するため、目を閉じる。

＿夕、聞こえてんだろ？そろそろこいつら止めてくんね？＿

＿...華も色葉もやめて～！夕が起きちゃったでしょ～！＿

今喋ったのが黒と白。
静かにボケたり突っ込んだり、正論で正してくるのが黒。
持ち前の純粋さで場を和ませてくれるのが白。
とりあえず二人に現状の説明を...

＿＿黒、白、今どうなって居るのか、説明できる...？＿＿

＿えーと、華と色葉が、どっちの方が夕の役に立ってるのかって言い争ってて...＿

＿んで、その声で夕が起きたっつーわけだ。ま、お前以外止めれる奴いねぇし...
　優しい他の人格が居れば話は別だが、今日が誕生日でもねぇしなぁ＿

＿というか、今日誕生日でも後２年待たなきゃいけないよ？
　あと、必ずしも優しい人が来てくれる訳じゃな＿

＿あ、夕じゃねぇか！なぁ、質問なんだが華とおr＿

＿煩いですよ、少し静かにすることはできないのですか？＿

喋ってた方が色葉、遮ったのが華。色葉も遮ってたけど。
どちらも僕の親代わりのような存在。
...今回はこの状態の原因らしいけど。
ふ、普段は優しくて頼りになるから！

＿...華と俺どっちが夕の役に立ってると思う？＿

＿無視をするなんて良い度胸ですね。＿

＿お前も遮ってただろ＿

＿黒、なんて言いました？＿

＿＿茶番やってる暇あるなら喧嘩やめて？どっちも大切で大事だから！＿＿

＿夕に免じて許す/許してあげます＿

＿こいつらチョロいな＿

少し苦笑しながら、目を開け、ベットから下りる。
...今日はいつも通りだ。
だからこそ、覚えておかなくてはいけない。
此処の病院に居る、ということは、そういうことなのだから。

＿ま、こんな日々ほど終わるんだろうなぁ＿

＿そんな不吉な事は言わない方が得ですよ＿

＿...俺ら１番その事を理解してるからな＿

＿皆死んでるなんて、思えないね～...＿

彼らは一番知っている。
"当たり前"ほど続かない事を。
だから...

『他の方の奇病は治って、僕のは一番最後に直らないかなぁ...。

...なんて願い、院長は叶えてくれるかな。』

こんな願いをするのは、間違っているのかな。