目指せあの頂上へ (ページ11)

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第9話ページ11

先生「次、誰だ?」

先生がクラス名簿から顔を上げる。確かに、次の人が自己紹介を始める様子がない。
誰だろう次……って、あれ？

A「あっ私です!!すみません!」

ついついみんなの印象が強くて忘れてた。

A「えっと……Aです。剣術とかを幼い頃からやっていたので、得意……です。よろしくお願いします。」

得意、って言い切ることに抵抗を覚えたため、私は言葉を濁して言った。
後ろの方でおぉ、という声が聞こえる。多分ロネさんだろう。

私は小さくため息をつく。

……魔法の属性、聞かれなくてよかった。

私は新品の制服をきゅ、と握りしめて思った。

*

全員の自己紹介が終わると、クラスはシグさんの魔法の話題でざわめきだした。

シグ｢……僕なにか変なこと言ってた?｣

レン｢いや何も。お前の魔法の話で盛り上がってんだろ｣

ロネ｢どこいってもみんな驚くよねー｣

さすがに幼なじみトリオは慣れているみたいだ。
まあでも上位魔法はすごいからそりゃあ驚くよ……私は今初めて知ったんだけど。

先生｢静かにしろ。それでは次に学級委員を決める。学級委員の決め方は……｣

クラスメイトたちは先生の次の言葉に期待していた。

なぜなら……

先生｢魔法での個人戦だ。｣

みんな魔法を使った個人戦が好きだからだ。

｢やったー!!ちょー楽しみ!｣｢戦いだー!!｣

案の定、クラスはすごく盛り上がった。

サクヤ｢おいライア｣

ライア｢なんです？｣

サクヤ｢戦いなら暴れてもいいんだろ!?｣

ライア｢暴れすぎもよくないので……行き過ぎるようなら私の魔法で止めますね｣

サクヤ｢ﾁｯ、おい先公、鎌返せ｣

ライア｢先生には敬語を使ってください｣

サクヤ｢お前はいちいちこまけぇんだよ｣

サクヤさんは先生からサクヤさんの身長ぐらいの杖をもらって言った。

サクヤ｢よっしゃ、大暴れしてやる｣

鎌と呼べるような刃がついた様子がなく、白く、杖にしては長いということだけの特徴の棒。

というのがこのサクヤ曰く鎌の印象。きっと魔法で刃を出すのだろう。

ああ、大丈夫かな……でも。

心の中では心配していても、私はわくわくした気持ちのほうが大きかった。