35、命短し恋せよゆーす ページ35
××
オンボロ寮に戻ると、エースとデュース、そしてグリムが真剣な表情でリドルに打ち勝つ方法を語り合っていた。今はそっとした方が良いね、とユウとAはキッチンへ向かう。
「何か作るの？」
「戦うなら力をつけなきゃいけないからね」
「手伝うよ！野菜切るね！」
「ありがとう、君は本当に優しいね」
ユウは冷蔵庫から野菜を取り出し、チラリとAを盗み見た。慣れた手つきでロース肉を切っていくAは主婦そのものだ。お母さんみたいだと密かに思う。暖かいご飯。早く起きての挨拶。誰も彼もが他人でしかない異世界で、Aとグリムはユウにとっての拠り所だった。
「A〜腹減ったんだゾー！」
「今作ってるから待って」
「今日の夕飯なにー？」
「カツ丼」
お腹をすかせてやって来たのはエースとグリムのみでユウは不思議そうに「デュースは？」と首を傾げた。
「ああ、なんか、首をはねられた姿なんか姐さんに見られたくない！ってさ〜〜」
「ええ……」
(普通に首はねられてるとこ見ちゃってんだけど……)
「でも、もう夕食の時間だし呼んでこなきゃ」
「……あ、なら俺も行くわ」
「君たちは監督生くんの料理をお手伝いしてあげてよ」
Aはそれだけ言うと、キッチンを出て行った。あーあ。余計なこと言うもんじゃなかった。後悔後悔。悔しげに頭を掻くエースをグリムが不審そうに見ている。監督生はまな板を見つめたまま言った。
「エースは姉さんが好きなんだね」
「は、はあ！？す、す、好きじゃ……ねぇ……」
分かりやすい。
*
可笑しかった。
この学園にはイケメンがたくさんいて、廊下を歩く度にかっこいいと思えるような人達がたくさんいるのに、首輪をつけた彼が一番かっこいいと思うなんて。見ないでくれ、とソファーの枕で顔を隠そうとするその手すらきらきらして見えるなんて。
「こんな……ダッセぇところ、姐さんにだけは見られたくない」
「……ダサいなんて思わないよ、絶対に」
胸がちくちくと熱い。
顔が火照って仕方がない。
この感情につけるべき名前を、数多の少女漫画で習ってきた私は知っていた。
「姐さん」
枕を手放してはじめてみた彼の顔は、真っ赤だった。たぶん、今の私と同じくらい。その頬が、すべてを物語っているような気がする───そう思ってしまうのはやっぱり、私の身勝手な願望なのだろうか。
「僕は、姐さんのことが」
「話終わった〜〜！？夕飯出来たんだけどーー！」
**
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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