34、不思議えもーしょん ページ34
××
トレイは明日、エースとデュースがリドル相手に決闘を挑むという話をAにした。決闘。彼ららしい選択だ。
「……でも、副寮長っていうのも大変だね。寮生と寮長の板挟みで」
「……まあ、結局俺は逃げてるだけだからな。
どんどん暴君になってるリドルを止めることすらできない。
さっきエースに言われたんだ。『そんなの幼なじみでも友達でもなんでもねぇ』って。本当、その通りだと思ったよ」
「……暴君を止められないからって、君が彼の友達じゃないってことにはならないんじゃないかな？」
「……」
「……私は……君のこと全然知らないしあの寮のこともよくわかんないけど……でも、君は頑張ってるって思うよ。私だったらあの環境で副寮長なんてぜっっったいむりだもん。すごいよ」
力強く言い切った彼女にトレイは目を丸くした。
その驚いた顔を見てAはハッと我に返り口を押さえる。
Aの本性は騒がしい女なのだ。知られたらドン引き不可避なくらいの。トレイは暫くAを見つめてから、ぷっと笑い出した。
「……ありがとう。元気が出たよ。……本当に。
Aはいい子だな。妹ができたみたいだ」
「妹……」
同い歳である。
「そういえばAはこんなところで何してたんだ？」
「あ、えっと、お弁当食べてた」
「自分で作ったのか？」
「うん」
「すごいな。俺はデザート以外はあまり作らないから……コツとかあるのか？」
「コツ？」
「例えば愛情を込めてみる、とか」
トレイは料理に愛情を込めるタイプではなかった。愛情を込めても不味いものは不味いし、愛情を込めずとも美味しいものは美味しい。
「……まあ、人に食べてもらうときは入れるかも。ここに来て、自分の手料理を人に食べてもらう機会が増えたからさ……作ってるときいつも思うよ。少しでも美味しいって思ってもらえますように、って」
「……へえ。そこまで愛情かけた手料理、俺も食べてみたいな」
「こ、今度作ってくるね。美味しいって思ってもらえるように、がんばる」
照れたようにトレイから視線を逸らす彼女を、気がつけば食い入るように見つめている自分がいた。可愛いと思った。前にテレビか何かで小さな子が子猫とじゃれていて胸が締めつけられると感想を述べていた芸人がいたがきっと今の感情も "それ" なのだろう。
「やっぱり、妹みたいだな。歳下にしか見えない」
最も、トレイは子供が猫とじゃれていても胸が締めつけられたことはないが。
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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