2、かわいい君にぐっどないと ページ2
××
「まず、謝ったの？」
監督生くんが鋭い質問を投げれば、やなヤツはうっと言葉に詰まった。この様子から見ても謝罪すらしていないらしい。流石にそれはどうなんだ……
「盗み食いはよくないよ」
「ええ〜マジでぇ……？」
「明日、謝りに行こう！」
流石、私が育成している弟分だ。
私と似て性格が良い。うんうんと監督生くんの優しさにひとりで感心していると今度はやなヤツが泊まる部屋についての話題になった。
「自分とグリム、あとA姉さんの部屋以外はまだどの部屋も埃だらけなんだけど……」
「寝るならお前も掃除するんだゾ」
「げ。掃除とか絶対やなんだけど。
ユウとグリムがダメならAの部屋でも良いよ」
「な！？」
ふざけるな！私のこと襲う気だろ！
男ばかりのむさ苦しい空間で可憐で可愛い女の子である私と一緒に寝たいという気持ちは決して理解できないわけでもないが……
「A姉さんの部屋はだめです！
そんなにベッドで寝たいなら自分の部屋で良いよ。
グリムがA姉さんの部屋に行ってくれれば……」
「マジ！？ラッキー」
「まあ……オレ様は寝れればどこでも良いんだゾ」
ええ〜〜謎生物が来るのかよ〜〜
確かに謎生物に襲われることはないだろうが、その代わり監督生くんとやなヤツがアッー♂アッー♂な展開になったり……まあ私に関係ないし、やなヤツと監督生くんがアッー♂アッー♂な展開になっても特に問題はないか。私に関係ないし。
「じゃあ……お休みなさい」
「あ、うん、A姉さんとグリムもおやすみ！」
私は謎生物を抱きかかえながら、階段を登って自室に入る。謎生物は私の隣の空きベッドに寝転がると「なんか話せ」と言って来た。
「さっさと寝なさい！」
「目が冴えちまって眠れないんだゾ！」
ほら早く、と急かされ、記憶の中に眠っていたお伽噺を掘り起こす。主人公の名前はアリス。きっと世界中の子供が知っている話……なんだろうが生憎、序盤のうさぎを追っかけて穴に落ちるところまでしか覚えてない。まあその前に謎生物は寝てるだろう。
「───うさぎを追いかけたアリスは穴に落っこちてしまいました。穴がすごく深いのか、はたまた落ちるのが緩やかなのか……」
「ぐううう……」
「寝るなよ」
私がお伽噺を聞かせる必要性を全く感じない速度で謎生物は眠りについた。暫くぼんやりとその寝顔を見つめていたら、喉の乾きを思い出した。そうだ、そもそも水を飲む為に下に降りたのに。
**
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1582人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
