俺の嫁は…。【雪橙】 (ページ27)

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俺の嫁は優しい。ページ27

今日はちょっと上手くいかん日。なんかあるやん？何やっても裏目に出たり災難が続く日って。
久しぶりのメンバー全員での仕事やったのにそのせいでテンションがいつもより低いし、またありがたい事にドラマの仕事決まって撮影が始まったのにセリフ飛ぶしNG連発するし…。とにかく気落ちが激しい。

向「ただいま～」
『おかえり～…お疲れ様！お風呂先入る？ゆっくりしといでよ』
向「あー…うん。ほなそうしよっかな」

Aちゃんに言われるがままに風呂場まで行って今日の反省をしながら用意をする。
思い返せば思い返すほど心が沈んで「あの時もっとこうした方が良かった」「あの言い方よりこっちの言い方の方が良かった気がする」とぐるぐると同じ事ばっか考えてまう。

『康二くん！』
向「おわぁ！？」
『あ、ごめん。まだ脱衣所おったんやね』
向「いや、大丈夫。どうしたん？」
『この入浴剤どうぞ！って渡しに来たんよ。ヒノキの香りが良くて落ち着くよ。おすすめ！』
向「こんなんあってんや。ありがとう使うわな」

渡された入浴剤を湯船に入れて一緒に手渡されたちっこいアヒルを浮かべてゆっくりとお風呂にはいる。Aちゃんの言う通り良いヒノキの香りがして心なしかリラックスできてる気がする。

お風呂から上がったら机にはご飯が並べられてていつもはお酒が置かれてる場所には温かいほうじ茶。

向「ほうじ茶？」
『お酒は感情増幅させるから今日は心がリラックスできるほうじ茶な。緑茶とかも良いけどお家にはほうじ茶しかなかったんよw』
向「なるほど？」

焼き魚中心の和食な美味しいご飯を食べていつもは俺が話してる事が多いのに…

『それでこの前作った指輪を予約してくれて』
向「あれ可愛かったもんなぁ」

今日はAちゃんが色んな話をしてくれる。正直、今日は俺の話をしたらまたどんどん気落ちする思うからちょっとありがたい。

お風呂に入ってご飯も食べてちょっと心のモヤモヤが薄れてる気がする。

『今日はお疲れ様やったんやね』
向「わかるもん？」
『康二くんすぐに表情に出るからwいつも自分で言うてるやろ？ぼちぼちやでって。たまにはそんな日もあるけどゆっくり休んで次頑張ったら大丈夫よ』
向「頭ではわかるんやけどなぁw」
『今日は早く寝て休もうね。最近忙しいからちょっと疲れちゃっただけやから休んだら大丈夫』
向「ん」

顔色1つで何も言わんでもこうして横に座って抱きしめて慰めてくれる。
職業上家族でも言えん事だってあるからこの優しさがいつもホンマにありがたい。