JAM色栄養士 (ページ16)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:18,204 hit

サマーキャンプ前日② ページ16

え？え！？え！？

なになになになに！？

思わず目をつぶる。

心臓が激しく鳴っている。

ふわっとまたあの優しい香りに包まれる。

次の瞬間

私の左手にあった荷物が奪われた。

……え！

鶴「これ、重そうやん。」

もう前に向き直って少し顔を傾けながら私の大きなカバンを軽々と持っている鶴房さん。

……びっ、びっくりした……！！！！

てっきり、、、

自惚れるな自分！穴があったら入りたい！泣

チーン

エレベーターが到着する。

慣れた様子で進む鶴房さんの後を、まだうるさい心臓を静めながらついていく。

ピンポーン

奨「はいはーい」

インターホンからよなしろさんの声。

ガチャッ

奨「お〜しおんとナホちゃん！ナホちゃん、ナホトさんから聞いてるよ〜鍵ちょっと待ってね〜」

そう言ってよなしろさんは部屋の奥にいく。

鶴「なあ」

私の前に立ちはだかるように立っている鶴房さんが少し体をこちらに傾けて言う。

ナホ「え？」

鶴「いつもそんな感じの服着てるん？」

ナホ「あ、はい。これめちゃくちゃ普段着です。」

今日は綿のオレンジ色のノースリーブのワンピースを着ている。

腕も首回りも布に触れないからめっちゃ涼しくてお気に入り。

ちょっと手抜きすぎないかとかそんなこと言われるのかなって思っていたら

鶴「肌…出しすぎやろ」

目を逸らしながら言う。

鶴「これ肩掛けとき」

そう言って自分が白のTシャツの上に前を開けて着ていた薄水色の半袖のシャツを脱ぐ。

こちらを向き、一歩近づいてシャツをかけてくる。

またふわっと優しい香り。

一瞬大きな胸板が目の前に迫って頬が熱くなる。

肩にはかなり大きなシャツが乗っている。

鶴「おし、これでオッケー。」

見上げると満足げな鶴房さんがニコニコとドヤっていた。

ナホ「あ、ありがとうございます…！」

かすかな優しい香りが私を包んで肌を隠す。

鶴房さんはきっと女の子みんなに優しいんだろうな。

とにかく、わたしはドギマギしてしまう…

下を向きながら熱い頬を手のひらで隠しているといつのまにかよなしろさんが鍵を持って玄関に立っていた。

ハッとして廊下を見ると鶴房さんはもういない。