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慧side

…忘れてた。

普段から敏感な心が、体調を崩すと何倍にも敏感になって、不安定になってしまうこと。


お風呂に入って、寝る支度をして。


ついさっきまで順番で大ちゃんの看病に入っていたのだけど、"そんなに心配しないで"と大ちゃんなりの優しさでやんわりと断られた。


兄弟だし、いいから気にすんな!って強引に押し切ることもできたんだろうけど、なんせみんな病み上がり。


元気に振る舞ってるのも末っ子の前が限界で、リビングに戻ってくるなりダウンした光や、ご飯の後、一度部屋で寝てくると戻って行った雄也。

俺は宏太とリビングで2人きりだった。


責任感を感じていた宏太は、意地でも頑張ってやろうとしていた。


慧「宏太、もういいよ。後は俺見とくから。」

宏太「いーや、俺は長男として責任があるからな…」

慧「長男とか関係ないよ。明日には仕事行くつもりなんでしょ?また悪化したらそれこそ元も子もないよ。」

宏太「んなこと言ったら慧だって学校だろ?俺はいいけど、慧は今大事な時期だし」

全くもう、なんで変なとこで頑固なの。

慧「い、い、か、ら!!!部屋!!戻って!!!」

宏太「ばかお前!大ちゃん起きんだろ…うっ、」

慧「ほらもう言わんこっちゃない。ハイ、戻るよ。」

宏太「うう…ごめんな大ちゃん…」


結局日を跨ぐ前に宏太は看病を断念して部屋に戻った。


そして俺も、大ちゃんが寝ているのを確認して部屋に戻った。

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作者名:カシスオレンジ | 作成日時:2021年12月11日 22時

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