検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:84,394 hit

I want to know the reason ページ6

「だから、なんでだって!!」

「なんで理由を言わなきゃなんないのって!!」


はい。
こういう攻防戦をかれこれ30分ほど。
いやぁ、理由を聞き出さなくては!なんて言ったけど、僕あんなにかっこよくならないから。
聞いても答えてくれないから((


「僕を!連れてきた!理由を!教えろって言ってるの!」

「なんで言わないとダメなの!?言わないから!!」

「子供か!!」

「違うわ!」


すげえ僕今帝国皇子と口喧嘩、口喧嘩?してるよ。
すげえ。


「もういいでしょー?理由なんて知らなくてもー」

「よくない」

「そうか」


もう真面目に取り合う気ないね?
椅子に座っちゃったもんね?
じゃあいいや僕も寝てやる。
ここ真冬のベッドだけど((
傷擦れて痛いけど((


「傷、まだ痛い?」

「痛いです」

「そっか」

「あの、この傷は、」

「君、僕の軍に捕まってたんだよ。覚えてない?」

「軍…?」


そっかー、と言葉を紡ぐ真冬を少し見つめる。
教えて、という意味も込めて。
僕の視線に気づいた真冬は、少し考えた後、妖艶に笑って僕の方を向いた。


「君さ、イグイス国王の…詳しくはイグイス皇太子の、付き人だったでしょ」

「…ど、して」

「勿論、国交は必要でしょ?それが将来戦争をする国同士だったとしても」

「ぁ…」

「その頃から僕は君を知ってた。凛としてて優しく笑う君が、ずっと頭から離れなくて」

「…まふ、」

「欲しかったんだー君のこと。どうにか僕の側に置いておきたかった」

「…ぁ…」

「そしたら戦争が始まったじゃない。チャンスだと思ったんだー。…君を僕の軍が捕らえた。唯、それだけだよ」

「…まふ、ゆ」

「あぁ、傷はごめんね?いつのまにか部下が拷問なんてしてたみたいで。安心して。ちゃあんと殺しといてあげたから…」

「ま、まふ」


僕が縋るように真冬の服の袖を掴んでも、真冬は笑って話し続ける。
どれだけ真冬を呼んでも、真冬は聞いてくれない。

じりじりと近づいてくる真冬から逃げられなくて、呆気なくベッドに押し倒される。
僕の上に誇る真冬は、見たこともないくらい歪んだ笑い方をしていて。
でもそれが、心からの笑顔に見えて、恐怖を抱く。


「Aくんが欲しかったんだよ、ずっと前から。君が僕をただ帝国の皇子と思っている頃からね。やっと手に入ったんだ。もう手放さないよ」


僕の頰に触れて、真冬は笑う。

僕は何故か、動くことができなかった。

psychopath→←I now



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (253 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
371人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 男主 , BL
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

グレン - 一回ここに入りなおしたのでidが違うけどおんなじグレンです!更新ありがとうございます!!めちゃくちゃ楽しみだったのでとても嬉しい( ´艸`)です!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 18時) (レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月23日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 主くんがめっちゃ可愛い!とても可愛い!!更新頑張って下さいね! (2018年8月17日 18時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります〜 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - この作品大好きです!更新頑張って下さい!ノシ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:奏多 | 作成日時:2017年11月5日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。