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Embracing ページ25

まふまふside


仕事を終わらせて、部屋に入ろうとした時聞こえた声。
心地いいソプラノの歌声が響いていた。

聞いたことがない曲だったけど、どこか懐かしいような、そんな感じがした。


思わず聞き入っていると、不意に歌が止まる。

その後で聞こえた声は、


「……助けて……」




あぁ、彼は優しい。
本音を誰にも打ち明けず、ただここで平気なふりをして生きている。


僕は正直怖かった。
抵抗もなにもせず、言われたままになっている彼が、どうにかなってしまうんじゃないかって。
でも、ただの人間のようで安心した。

僕は、彼のためなら何だってできるんだから。


音を立てないように部屋に入る。
彼の姿を探すと、少し隙間の空いた窓の向こうのバルコニーに、小さい背中が見えた。

少し丸まった肩は震えている。
泣いているのかもしれない。

僕は彼にそっと歩み寄って、後ろから抱きしめた。


「Aくん、何泣いてるの?」

「…ま、ふゆ、な、泣いてない」

「嘘。そんな顔して」


赤く熟れた頰と瞼。
誤魔化せるとでも思ったの?


「何かあるなら話してよ」

「何も、ない」

「そんなわけないでしょ」


何もなかったら泣かないよね、と腕に込める力を強くすると、Aくんは怯えたように、驚いたように、体を硬くした。


「さっき歌ってたの、なんていう歌?」

「こ、子守唄。…お母さんがよく歌ってくれてて」

「そっか。僕にも聞かせて?」

「え?」

「綺麗な歌だね」


Aくんを解放して、覗き込むようにして笑うと、Aくんはあからさまに顔を明るくさせた。

あぁ、そう。
僕はその顔が見たかったの。

It will change→←sing a song



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グレン - 一回ここに入りなおしたのでidが違うけどおんなじグレンです!更新ありがとうございます!!めちゃくちゃ楽しみだったのでとても嬉しい( ´艸`)です!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 18時) (レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月23日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 主くんがめっちゃ可愛い!とても可愛い!!更新頑張って下さいね! (2018年8月17日 18時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります〜 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - この作品大好きです!更新頑張って下さい!ノシ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏多 | 作成日時:2017年11月5日 12時

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