sing a song ページ24
それからまた2人でご飯を食べて、僕は着替えて部屋に戻った。
真冬はまだお仕事があるみたい。
一緒に寝たいって言ってたから、それまで待つことにする。
「とは言っても、暇だなぁ…」
ベッドに一人寝転んでいても、猛烈に時間が余る。
これでは眠ってしまう、と慌てて起き上がる。
ていうか、僕の身分は従者まで落ちたはずだけど、こんなに悠々と過ごしていて大丈夫だろうか。
後が怖い。
部屋を少し歩くと、バルコニーがあることに気づいた。
とても大きい窓を開けてバルコニーに出る。
ひゅう、と夜風が頬を撫でていく。
そこで僕は初めて、もう時刻が夜であることを知った。
心地の良い風が体を柔らかく通り過ぎて行くが寒くはなく、寧ろ少し暖かいくらいだ。
やはりここはフラスト帝国。
近い国だとは言っても、違う国なのだと思い知る。
イグイス国は寒さが年中残っているからね。
広いバルコニーの手すりに肘をつき、外を眺める。
キラキラと輝く街の明かり。
自分の国では見ることがなかった景色に、やはり僕は少なからず心躍らせた。
進んだ科学技術と思考。
そのせいで自国が戦争に巻き込まれたのだと、思わず忘れてしまいそうになってしまう。
僕の口から漏れたのは、感嘆のため息と一曲の歌だった。
「…__〜♪〜…〜♪」
子守唄。
僕が小さい頃によく歌ってくれた歌。
忘れられなくて、よく口ずさんでしまう。
「そこで眠る前に…私の胸にお顔を埋めなよ…」
…お母さん…お父さん。
今何処にいるんだろう。
どんな生活をしているんだろう。
「……助けて……」
どうして、僕はこんなに無力なの。
Embracing→←you leaving already?
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グレン - 一回ここに入りなおしたのでidが違うけどおんなじグレンです!更新ありがとうございます!!めちゃくちゃ楽しみだったのでとても嬉しい( ´艸`)です!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 18時) (レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月23日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 主くんがめっちゃ可愛い!とても可愛い!!更新頑張って下さいね! (2018年8月17日 18時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります〜 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - この作品大好きです!更新頑張って下さい!ノシ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏多 | 作成日時:2017年11月5日 12時