検索窓
今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:84,400 hit

doctor ページ15

「…何してるの?」

「あ、ま、真冬様!」

「も、申し訳ございません!」


真冬が戻って来たことを知り、女の子たちはそそくさと戻って行く。

怒ってたわけじゃないんだけど…とヘコむ真冬を見て、ボクは少し笑ってしまった。


「ビックリされただけだと思いますけど」

「いや、ちょっと悲しくなっちゃうよね」


まぁ、その気になれば国一つ滅ぼすことなんて楽勝の皇子様なんて、畏怖の対象にしかならないよなぁ。

普通は。

見たところ真冬は普通に信頼関係を築けてるっぽいし、嫌われてるってこともなさそう。

やっぱりさっきの子達は驚いただけなんだろうな。


「帰ろうか」

「は、い」

「…まだしんどい?」

「へ、あ、いや、ちょっとフラッとしただけで!しんどくは…」


ベッドから慌てて降りると、地に足つかないような感覚を覚える。
フラリと景色が傾いて、僕はベッドに手をついた。


「大丈夫…?やっぱりまだ…」

「大丈夫!です!歩けるので!」


心配そうな真冬を押し込めて、今度はしっかりと立つ。

まだ真冬は不安そうだったけど、僕が何言っても聞かないとわかったのか、何も言わなかった。


「さかたん薬ちょーだい」

「残念やけど花薬剤はあれで最後。あとで作っとくから取りに来い」

「ええ。その間に体調悪くなったらどうすんの」

「まふが余計なことしなかったらどうにもならない」


はぁ!?と怒っている真冬を軽くあしらい、坂田さんは僕を見る。


「Aくん、またなんかあったら来てな。
僕は坂田。この宮廷病室で医師やってる。まふの主治医」

「お医者さん」

「そう。多分志麻っていう人が君に水飲ませたと思うけど、あれもお医者さん。
他にも紹介するけど、それはまた今度。しんどくなったら来てな」

「はい」


よっしゃ、と笑う坂田さんは、何も悪気がないように僕の頭を撫でる。

こういう雰囲気も、お医者さん独特だなぁ、と僕は呑気に考えていた。

Question→←Water and medicine



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (253 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
371人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 男主 , BL
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

グレン - 一回ここに入りなおしたのでidが違うけどおんなじグレンです!更新ありがとうございます!!めちゃくちゃ楽しみだったのでとても嬉しい( ´艸`)です!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 18時) (レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月23日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 主くんがめっちゃ可愛い!とても可愛い!!更新頑張って下さいね! (2018年8月17日 18時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます!頑張ります〜 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - この作品大好きです!更新頑張って下さい!ノシ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:奏多 | 作成日時:2017年11月5日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。