painful ページ11
ふ、と瞼を開けた。
思ったより瞼は軽くて、身じろぎもせず起き上がることができた。
「…あれ」
いつのまにか綺麗な服に着替えていて、小さな傷にもガーゼが貼ってあった。
僕が寝てるときにやったのかセクハラか((
「おはよ、具合はどう？」
真冬が居たことに気づかなかった僕は、肩をビクリと跳ねさせた。
真冬の部屋なのに真冬がいないと思ってたとか、僕はバカか？((
「あ、大丈夫、です、」
「よかった」
まぁ、実は大丈夫じゃないんだけどね！((
いつもなんだけど、吐き気がする。
僕は毎日頭かお腹が痛くなる。
これはもう体質。
我慢するしかない。
ジッとしてればすぐに収まる。
…大丈夫。
ちょっとキツいとか、いつもよりヤバいとか、ないから。
吐き気がするってだけ。
気持ち悪いだけ。
収まる、収まる、収まって、収まって、収まってよ、大丈夫、大丈夫、大丈夫、収まる、収まる…
「Aくん？やっぱりしんどい？」
目の前に現れた真冬の心配そうな顔に少し吐き気が収まった。
でもそれはすぐに帰ってきて、更に僕の胸を締め付けた。
「う、ぇ、」
「！大丈夫、Aくん！待ってて、多分アイツがいると思うから…」
誰、アイツって。
僕結構ヤバいかもなので、寝かせてくれたら嬉しいな((
「Aくん、Aくん、大丈夫だよ、僕がいるからね」
ぎゅ、と抱き締められて、少しだけ息が苦しくなる。
でもそれが少し心地よくて、脂汗をかいていた僕の背中は、少し涼しくなった。
それでも、まだ吐き気は収まらなくて。
「う、おえ、げほっ」
「！ああ、もう！…Aくん、ちょっと揺らすよ！」
「ふぇ、あ、げほっ、あ、え！？」
なんで僕は抱きかかえられてんだー？んー？
男に横抱きにされる日とか来ないと思ってたなー。
いやそんなこと考えたことなかったなー？
「まふ、けほ、おえ、」
どれだけ名前を呼んでも、真冬は聞こえてないし、僕も声が出ない。
バンッと大きい扉を開けて、僕を抱えたまま真冬は走る。
周りからの目線が痛いよー(棒)
階段をいくつか降りて、他のドアより白いドアを勢いよく開けて、真冬はツカツカと歩いて行った。
「坂田いる！？」
「ま、真冬様？！」
「どうしてここへ…その方は？」
あらぁ、異物を見るような目で見られてる！
やめて！悲しい！とまぁふざけたいところなんだけど、実は結構ギリ。
「おう、どうしたまふ…お？」
奥から出てきた男の人は、赤い髪の男性だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
グレン - 一回ここに入りなおしたのでidが違うけどおんなじグレンです！更新ありがとうございます！！めちゃくちゃ楽しみだったのでとても嬉しい( ´艸｀)です！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年8月23日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 主くんがめっちゃ可愛い！とても可愛い！！更新頑張って下さいね！ (2018年8月17日 18時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - グレンさん» ありがとうございます！頑張ります〜 (2018年8月14日 20時) (レス) id: 9dff9c1b2f (このIDを非表示/違反報告)
グレン - この作品大好きです！更新頑張って下さい！ﾉｼ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 1c34feec5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏多 | 作成日時：2017年11月5日 12時
