癒しの翠姫3 (ページ8)

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番外編チェンジページ8

とある日 in ペシャワール城塞

瓜二つの姫と王子、楽師と軍師が4人。
アルスラーンの部屋で何やら始めようとしていた。

ア「ナルサス、本当にするのか？」
アルスラーンが不安そうに乗り気な彼を見た。

ナ「殿下、たまにはこういう遊びも必要でございます。そうでしょう、ジェダイア姫？」

ジ「……スーリに怒られないかな…なんかためすみたいで…。」

ギヴ「大丈夫ですって。それにダリューンが見分けられるか興味が無い訳じゃないでしょう？」

ジ「……それは……ある！」

数週間前の夜、ダリューンらが酒を飲みながら瓜二つの王子と姫の話をしているのを聞いたのだ。

ナ「ダリューン、お主、もし、殿下と姫が同じ服装でもすぐ見分けられるか？」

ダ「当たり前だ。俺が見誤る事など有るはずがない！」

ナ「ほぉ、大した自信だな。ニヤニヤ」

ギヴ「では、ダリューン卿、見誤る様な事があったら、卿のシャブラングに子供が産まれたら譲ってくれ。」

ダ「その様な事ある筈がない。いいだろう。」

そして今に至る。ワザと期間を空けたのだ。

アルスラーンの部屋には美しい姫が2人。
ジェダイアがアルスラーンに化粧をし、自分の服を着せる。

ジ「お二人ともどうだ？」

ギヴ「……すごい。」

ナ「これは、わかりませんな。」

ア「あっあんまり見ないで欲しい…恥ずかしい……」

ジ「殿下……似過ぎです。…あっ、この香りをつけてください。」

手筈はこうだ。

ダリューンにナルサスからの書状を持っていく。
無事バレず渡し終え、戻ってくればナルサス達の勝ち。

もちろん、ダリューン本人はこんな勝負が始まろうとしているなんて全く知らない。

因みにナルサスはこの勝負に勝つための布石を敷いていた。

ジェダイアにたまに書状を届けさせていたのだ。

彼女はそんな事に利用されているとは知らずダリューンに会いに行ける正式な理由が出来たと喜んでいた。

本来、これはエラムの仕事だ。

彼女がいきなりナルサスの書状を届けに来ると不自然だからだ。

恐るべしナルサス。