癒しの翠姫3 (ページ6)

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グラーゼの恩返しページ6

船着場にはアルスラーンが待っていた。

ア『ダリューン、ご苦労だった。』
ジェダイアに瓜二つの少年がダリューンの労う。

グラーゼがアルスラーンをまじまじと見ている。
グ『すげー似てる……。』

ダ『こちらはパルスの王太子アルスラーン殿下だ。』

グラーゼの目が点になる。
グ『はぁーーーー⁉』

グラーゼがお礼に酒を奢るというので酒場へ一行は酒場へ移動した。

グ『なるほど、俺が旅に出ているうちにパルスがそんな事になっていたとは。アンドラゴラス国王陛下がご生還成されたのは吉報だが、五万の兵を集めろとはなかなか無茶を言うものだ。』

ナ『この街に駐留している兵を動かすのは正式にペラギウス総督に依頼する。お主ら商人にお願いしたいのは資金の調達だ。』

グ『確かに五万の兵を養うにはそれなりの金が必要だが』

ア『無茶なお願いだとはわかっているが私は必ず父上のご期待に応え、五万の兵と共にペシャワールに戻らねば成らぬのだ。』

アルスラーンがグラーゼに頭を下げた。

グ『そういうのはよしてくださいよ。殿下。あんたらは俺と船の恩人だ。無いはずの命を拾ったんだ、礼はさせてもらいます。』

ナ『では協力してくれるのだな。』

グ『ええ、他の商人たちにも声をかけましょう。このグラーゼがあんた方の金ズルになりましょう。ジェダイアも世話になってるしな。』

ア『金ズルなんて、そんな！』

グ『気にする事はない！いいなお前ら！』

船員ーはい‼

グ『俺は元々いろんな国を旅するのが好きで船乗りになったんだ。余分な金を貯めて置くより、お国の為に使ってもらったほうがいい。』

ギ『我らも少しばかり蓄えがあるから、それを使って欲しい。』

グ『お前ら、結構稼いでるもんな！笑』

ス『おかげさまで。それなりに。』

ア『ありがとう！』

グ『そうだ、あんた方はジェダイアの正体を知ってるんだろう。まぁ、末永くよろしく頼む。あいつを国から出したのは俺だしな。』

グラーゼが船乗りたちと楽しそうに話しているジェダイアに視線を移した。

シャ『正体？』

ナ『あぁ、お主にはまだ言ってなかったな。あの方はイズベラの王女だ。』

シャ『ーーー‼えっ？まて、銀髪、翠眼、細剣、医師……まさか翠姫か⁉』

ダ『そうだ。ついでにギルマルス殿はあの蒼き獅子だ。』

スーリとギルマルスは意味深に微笑んだ。

シャ『は、はははは、これはすごい。なるほど、薬の品質が格段いい訳だ。』