真心 ページ16
ジ「……。」
ジェダイアが黙ってラジェンドラを睨み付けた。
ラ「そう怒るな。冗談だ(笑)……だがな、お前を想う気持ちに嘘、偽りはないぞ。こうでもしなければ一生ダリューンに会えなくなるぞ。俺がイズベラの王ならそなたの様な者を手放しはせぬ。わかっておろう?」
ラジェンドラが真剣な目でジェダイアを見つめる。
ジ「……ッ。」
ラ「ジェダイア、お前どうしたい?今しか無いぞ。」
ジ「…ここに…戻り…たい…。」
ラ「…やっと本心を言ったか。大丈夫だ。この案にはダリューンも承諾済みだ。もっとも渋々だかな。彼奴の顔といったら…ハハハハハ(笑)」
ジ「は?」
ジェダイアの目が点になる。
ラ「流石はナルサス殿、王族同士の偽装結婚など面白そうではないか!」
ジ「え?どういう事?」
!!ガタッ
ナ「憐れな親友の為にひと肌脱いだという訳です。」
ナルサスやアルスラーン、ダリューン達が入ってきた。
ジ「ッなッ!?////」
ナ「うちの黒衣の騎士は一途でな…振られたクセにそなたをイズベラに拐いに行くと言って聞かぬゆえ(笑)」
ア「ジェダイア、黙っていてすまない。」
ス「……姫様、申し訳ありません。」
ジ「……殿下、スーリ。」
ナ「まぁ、ラジェンドラ王は婚約(仮)の書状を先王から貰い後生大事に持っていた様だし、平和的に返して貰えるはずだ。」
ラジェンドラが得意げに古い書状をヒラヒラさせる。
ダ「あぁ…ラジェンドラ王を頼るなど腹立たしい限りだがな……。」
ジ「ダリューン……。されどッ!バレたらタダでは済まぬぞッ!ラジェンドラッ事の重大さがわかってるのか?」
ラ「あぁ、覚悟の上よ。愛しいジェダイアの為だ。」
ジ「…でもッ…。」
ラジェンドラが主人公を抱きしめる。
ダリューンは己の無力さを噛み締めながらソレを見守る。
ラ「水臭いではないか……遠慮など無用だ。な?わかったら、明日の朝までダリューンといろ。良いな?」
ダ「!?」
ジ「え?」
ダリューンが驚き目を見開く。
ラ「なんだ?意外か?……俺はお前の心を大事にしたい。前は凄く傷付けたからな。ハハハ、惚れたか?」
ジ「……///ッ」
ジェダイアの顔が真っ赤になる。
ダ「なっ!ジェダイア、時間が惜しい行こうッ!……殿下、失礼いたします。」
ダリューンはジェダイアを連れて甲板へ出た。
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作者名:まりの | 作成日時:2016年8月7日 19時