がんばりすぎだよ、心操くん。 ページ5
｢世話焼きなAちゃんとがんばりすぎちゃう心操くんのはなし。｣
＿＿＿＿思えば朝からどうもおかしかった。頭はガンガンするし体は重いし寒気もする。保健室で体温計借りたら熱が38℃。完全に風邪引いてた。
今日は生憎先生が稽古つけてくれるっていう約束だったから重い体を引き摺りながらA組の教室に向かってた。いきなり途中で気分がめちゃくちゃ悪くなって目眩がして立ってられなくなって壁寄り掛かって。それから、それから。考えていたら意識はいつの間にか闇の中。
＿＿＿＿あれ、どうなったんだ、俺。あ、なんか体あったかくて、いい匂いする。柔軟剤みたいな匂い。熱のせいか視界がぼやけてるけど誰だろ、どっかで見たことある気がする。…先生が言ってた生徒かな。写真で見た見た目が似てる気がする。
｢…う、Aさん、だっけ。相澤先生のとこの。間違ってたらごめん。俺普通科の心操。ごめん、ありがと。｣
聞こえてるか分かんないけど話しかけて見た。一応運んでくれてるらしいからお礼言っとかないとあれだし。熱で働かない頭で悶々と考えていればふうふう荒い息のAさんの声が帰ってきた。
｢知って、る。心操くんめっちゃ熱あるじゃんか…、廊下で倒れてたから相澤先生の所まではこんでリカバリーばあちゃんの所まで運んでもらう！今その途中。楽にしてて、いいからねッ。｣
男の俺を運んでるんだ、相当疲れてるんだろう。吐く息が荒い。こんな奴にお節介だなあ、なんて思いながらも大人しく運ばれていればばたばたと忙しい足音、相澤先生らしき声。
嗚呼、また眠くなってきた、意識を手放そうと目を閉じたとき、最後に聞こえたのは眼の覚めるような君の一言だった。
｢無理しすぎも良くないぞ、人使くん。…あとはお願いしますね、先生。｣
不意打ちは反則だろ、Aさん。治ったらまた御礼するから。君のせいで無理するのもいいかも、なんて思ったのは死んでも君には言えない。
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花(プロフ) - 花です！こちらリクエスト、感想等常時お待ちしております！リクエストは御相手の名前＋好みのシチュエーション等あればなんなりと！感想や応援コメント等、励みになるのでぜひぜひお気軽に！！ (2018年10月3日 17時) (
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作者名：花 | 作成日時：2018年10月2日 16時
