第38話 ページ39
私が産まれた家は貴族だった。
父は愛妻家で子煩悩、母親は美人で優しくて…側から見れば仲の良い幸せな家族に見えた。
でも本当は違った。
屋敷の中では父は全く違う人格になる。
父が愛していたのは母だけ。
私はよく折檻された。
誰も父を止めなかった。
だって私が2人にちっとも似てないから…
だからお父様は私を…
ーお前は本当に私たちの子か？何故こんな事も出来ない！シンシアや私に少しも似ていない！！
父の口癖だった。
父から愛されたかった…でも私にはその能力が無かった。
だから鞭で打たれても仕方なかった。
母はそんな私を可哀想に思ってか、近宮様のマジックショーに連れて行ってくれた。
初めてみたキラメキに満ちた世界に私はすぐ魅了され、父の目を盗んでマジックの練習をした。
母はそれを喜び、ショーがある時は父に頼み込み海外にも連れて行ってくれた。
父に愛されてなくても、鞭で叩かれても私は幸せだった。母がいたから。でもある日、母が姿を消した。
理由はわからない。
学校から帰ったら母はいなかった。誰も教えてくれなかった。
そして、父の私への憎しみは酷くなっていった。
お前は私の子じゃない！！シンシアは私を裏切った！
父は母が不貞を働き、私を身籠ったのだとそう言っては私を前にも増して痛ぶった。
15歳になったその日…父は、私を部屋に呼んだ。
前からわかっていた。
私をいつか…そうしようとしていること…
どうしても…嫌だった…だから…私は…
父を…殺した…
首を切って…
自分でも怖いくらい冷静だった。ベッドは血だらけで、…生温かいの。
私は家令を呼んだ。
現場を見るなり彼の顔は蒼白になった。そして…私に何があったのか詰め寄った。私は事を顛末を話し、自首すると彼に伝えたが彼は首を横に振った。
そして、彼は秘密を告白した。
ーシンシア様は屋敷内におられます
彼は母が薔薇園にいる事を教えてくれた。
父は母がいなくなったあの日、母の不貞の証拠を突き付け口論の末、手にかけていたのだ。
家令「お嬢様、我々が上手く処理をします。良いですか、警察に聞かれたらこう答えるのです。旦那様は奥様がいなくなってから心を病んでいた。お嬢様はお父様を止めようとしたが間に合わなかった。よろしいですね。」
ー貴女は善良なマジシャン
高遠さん、私はちっとも善良じゃないんです。
でも高遠さんには絶対に知られたく無いの。
続く (更新停止中)
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リリシア(プロフ) - 読んでいるこちらが赤面しました！更新を楽しみにしています (2021年11月23日 19時) (
レス) @page37 id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年10月14日 23時) (レス) @page14 id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
リリシア(プロフ) - 明智さんとどうなるのか気になります♪ (2021年3月3日 19時) (レス) id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - とても面白かったです！！更新を楽しみにしています！ (2021年2月18日 12時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - camelliaさん» コメントありがとうございます！凄く励みになります。今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: f0f7253053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん | 作成日時：2019年7月3日 0時
