第24話 ページ25
高遠はアパートを見て驚いた。
とても女性が一人で住むような所ではなかったからだ。
それに彼女が独立する際に彼女を心配した師匠がまとまったお金を渡したと話していたし、弟子とはいえ給与を毎月貰っていたはずだ。
お金に困って上着を売るほど困窮しているなんて一体なにが・・・まさか誰かに騙された？
高遠が思案していると彼女の部屋に着いた。
主人公がドアを開けると彼女の相棒の鶏が出迎えてくれた。
貴「狭いところですが、どうぞ。」
！？
高遠「待ってください。鍵は！？貴女、施錠しないで外出を！？」
貴「あ・・・忘れてた・・・でも、ほら、日本は治安がいいので。」
高遠「はぁ・・・・お邪魔します。」
ベッド以外何も無い部屋に鶏が一匹・・・これはひどい。暖房器具も無いじゃないですか。
貴「今、なにかお出しします。」
高遠「いりません。それよりお話を聞かせてください。なぜこんな事になっているのかをね。イタリアを出た時はお金はあったはずです。」
高遠に促され、主人公は彼の前にちょこんと座った。
貴「実は・・・騙されちゃって・・・」
高遠は予想が的中し、ため息を吐いた。
彼女によると、来日して1ヶ月くらいした頃、何回目かに営業をかけたホテルから電話があり、ショーをさせてあげるからと言われ会いに行った。
「ショーをするには先にお金がかかる。400万立て替えてくれないか？」
彼女は迷ったが、確かにお金はかかると思い財産のほとんどを支払ってしまった。
そして次の打ち合わせのためにそのホテルを訪ねるともぬけの殻になっていたのだ。
全てを話し終えた主人公は大粒の涙を流し、畳に突っ伏した。
貴「ッごめんなさい！師匠に貰ったお金も全部なくなって・・・・これ以上、誰かに迷惑をかけるなんてできないから自分でなんとかって・・・やっぱりッ私なんて・・・いない方がよかったんです・・・・でも師匠にもらったお金だけはちゃんと返さないとって・・・だってあれは私のお金じゃないッ！やっぱ今からでも死んで詫びを！そうだ！生命保険を使えば！！」
高遠「はいはい、落ち着いて。一度深呼吸して。そう、上手ですよ。状況は分かりました。とりあえず私は暖房器具を買いに行ってきます。まだお店は開いてますから。」
貴「でもお金が・・・」
高遠「買ってあげますよ。この部屋にはこれから私も出入りするんですから。貴女はここで待っていてください。」
高遠はそう言うと、暖房器具を買いに外へ出て行った。
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リリシア(プロフ) - 読んでいるこちらが赤面しました！更新を楽しみにしています (2021年11月23日 19時) (
レス) @page37 id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年10月14日 23時) (レス) @page14 id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
リリシア(プロフ) - 明智さんとどうなるのか気になります♪ (2021年3月3日 19時) (レス) id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - とても面白かったです！！更新を楽しみにしています！ (2021年2月18日 12時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - camelliaさん» コメントありがとうございます！凄く励みになります。今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: f0f7253053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん | 作成日時：2019年7月3日 0時
