第14話 ページ15
変装して来た高遠が主人公の腕を掴み立たせた。
「あ、た、高山さん。」
この姿はマネージャーをする時の彼だ。私の代わりにこの姿で交渉してくれる。
「帰りが遅いから心配したんですよ。で、この方はどなたですか？」
不機嫌そうに高山は明智を見た。
「あ、明智さんです。この間…バーの…」
「あぁ、あの失礼な男ですね。こんな男と関わってはいけません。帰りますよ。」
高山は財布から私の紅茶代を出すと腕を掴みそのまま店の外に出た。
高山は早足でどんどん進む。
「あのッ待ってくだッ…キャッ！…」
足がもつれて高山さんに倒れ込んだ。
彼の背中に顔を強打した。
痛い…
鼻をさすっていると高山さんが振り返った。
あれ？ちょっと不機嫌そう…
「貴女、あの男がどういう人間か知らないでしょう。ダメじゃないですか、知らない男について行くなんて、しかも電話に出なかった。」
「ご、ごめんなさい！だって警察って言っていたので…危害が加わると思って…申し訳ありませんでした。」
「…そうですね。彼はまさに私を追っている張本人ですよ。貴女にしては気が利いてます。いいでしょう。許してあげます。で、何か言いかけたでしょ？」
「…私のトランク…置いてきちゃいました…」
「あー、そうでした。すみません、それは私に非があります。取りに戻りましょう。」
高山は主人公の手を引いて来た道を戻る。
うわ、私、手を繋いでる。
高遠さんと…手を…。
主人公はみるみる顔が赤くなる。
いけない、手汗が…高遠さんと手が私の手汗で汚れちゃう！そんなの可哀想だ。
「高山さんら手を離してください！」
「あぁ、お嫌でしたか。それは失礼しました。」
「ち、違います…嫌なんて…寧ろ嬉しくて…いや、その////…私、手汗酷くて…高山さんの手が汚れちゃうから…」
高遠は笑い出した。
「クク…手汗ね。いいんですよ。手汗くらい私だってかきますから。ほら、行きますよ。」
「Σッ！」
前方に明智の姿が見えた。
トランクを持ってこちらに来る。
「おや、追いかけて来ていたみたいですね。貴女はここにいてください。」
「は、はい。」
高遠は1人で明智の元へ向かった。主人公は少し離れた場所でそれを見ていた。
「わざわざお届け頂きありがとうございます。では。私達はこれで。」
「待ってください。貴方は彼女の…」
「パートナーですよ。唯一無二のね。」
高遠は形だけの御礼をすると取りつく島も無しに踵を返した。
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リリシア(プロフ) - 読んでいるこちらが赤面しました！更新を楽しみにしています (2021年11月23日 19時) (
レス) @page37 id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年10月14日 23時) (レス) @page14 id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
リリシア(プロフ) - 明智さんとどうなるのか気になります♪ (2021年3月3日 19時) (レス) id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - とても面白かったです！！更新を楽しみにしています！ (2021年2月18日 12時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - camelliaさん» コメントありがとうございます！凄く励みになります。今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: f0f7253053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん | 作成日時：2019年7月3日 0時
