海中6 ページ18
コトアside
私は今バンダナくんの恋愛相談を受けている
コ「えーっと、バンダナくんはずっと離れ離れの彼女とこれから先どうしたらいいか分からなくなった、という悩みでいいですか？」
バ「あぁ……そうなんだ
こんな悩み誰にも話せなくて……
イッカクはあてにならないし、ウニとかに話せば絶対馬鹿にされるし
もう頼れるのがお前だけなんだ！！」
あ、今イッカク姉さんが「どういう意味よ！！」って怒った姿が見えた
そんな事言われても
私だって前世も今世も恋愛経験1ミリもないよ
なんならこっちが聞きたいくらいだわ
コ「そ、そうですね……」
バ「コトア的にどう思う！？」
そんな泣きそうな顔して言われても……
コ「私個人としては好きな人とはなるべく一緒にいたいし、いられなくても声くらいは聞けたらいいなとは思いますけどね……」
バ「そうか……
あいつには寂しい思いばかりさせているから……
俺があいつを不幸にしてるんじゃないかって……
俺よりももっと良い奴いるだろうし、別れた方がいいんじゃないかって最近考えるようになってきて……
ダメだな、俺……」
コ「えぇっと、ダメじゃないですよ
それだけ彼女さんのことを思ってるってことじゃないですか
バンダナくんは素敵な人です」
バ「ははっ……ありがとうな」
力なく笑う彼
なにかいいアドバイスがないだろうか
…確かに海賊の彼女ってのは大変そうだよね
いつまた会えるか分からない、もしかしたら死んでしまっているのかもしれない
不安を感じながらも一途に彼の帰りを待っている彼女さんはきっと強い人なんだろうな
幸せ、幸せか、、、
あれ？
コ「バンダナくん、彼女さんにとっての幸せはなんだと思います？」
バ「え？」
コ「幸せっていうのは人それぞれです
彼女さんの幸せを決めつけるのはまだ早いのではないですか？」
バ「あいつにとっての幸せ、」
コ「離れていることが不幸なわけじゃありませんよ
バンダナくんと付き合っていて幸せかどうかは彼女さんが決めることだと思います
彼女さんの幸せを決めつけてはいけませんよ」
目から涙がポロポロ溢れていた
コ「もしかしたら貴方を待っているこの時間も彼女にとっては幸せの一つかも知れませんよ？」
悪戯っぽく笑って見せると彼の顔にも笑顔が戻る
バ「ふはっ、そうかもな
俺、ちょっと行ってくる」
コ「ふふっ、いってらっしゃい」
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作者名：ヒツジーヌ x他1人 | 作成日時：2021年4月15日 18時
