【アルネの事件簿】元・最凶吸血鬼と記憶喪失の少女 IV (ページ26)

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▽130話ページ26

貴方side

...遅い。

姉様がまだ来ない、どうしたのだろうか。

少し心配になった。

貴「兄様、姉様の様子を見てきますね。」

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姉様の部屋の前にきた。

普通なら使用人が扉の前で待機しているはずだが、

使用人どころか、部屋の近くに誰もいない。

貴「(姉様はそもそも部屋にいるのか？)」

そっと扉に耳を近づける。

エ「_______、_____________。」

姉様の声が聞こえた。

？「＿＿。」

誰かと話しているのか？

もう少し耳を澄まして聞いてみる。

エ「ふふ、そろそろあの子が気付きはじめたわ。」

あの子？誰の事だろうか。

エ「じきに私の正体に気づくでしょうね。」

？「はい、そうですね。」

姉様は違う姿を隠してたの？

エ「あの子が真実を知ったら、どんな絶望の顔を見せてくれるのかしらねぇ？ふふ。」

...姿は見えないけど、これだけは分かる。

姉様は...

危険だ。

直感的にそう感じた。

声だけでも私は身震いしている。

？「...貴方様の思うままに全てが上手くいくでしょう。」

そしてもう一人の声。

何故だろう、聞いたことがあるような...

エ「そうね、200年も同じ事を繰り返して、失敗したことなんてなかったわ。」

？「...ですが、これで最後にしてくださいね。」

エ「えぇ、これで終わりにする。ふふ、約束だったわね。」

？「はい。」

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私はその場から遠ざかった。

...いや、逃げたと言って良いだろう。

姉様は前々から、何か隠していると考えていた。

辛い。

私の知っている姉様の姿が壊れていった。

貴「なぜ現実は、こうも覆されるの？」

痛い。辛い。悲しい。

色々な感情が目まぐるしく動く。

貴「姉様、、」

〈200年繰り返している〉〈正体〉〈真実〉

そして

〈呪いを持ってない〉

この言葉だけで、思い当たるのが一人。

貴「...呪いを生み出した吸血鬼」

姉様は

私の敵だ。