オオカミ王子とウサギ少女 2

047 【阿部】 ページ2

阿部 side






最近Aちゃんと一緒にいることが増えた



・・・と言っても


Aちゃんは生徒会みんなが狙ってるから

俺が同じクラスなのを言い訳にして

無理やり一緒にいる感じなんだけどね(笑)




俺が一番Aちゃんを独り占めできるのは

朝の図書館での二人っきりの勉強会



今日もAちゃんより先に席に座る


Aちゃんが来るまでの

なんとも言えないドキドキしてる感じが

好きだったりするんだよね、




机に肘をついて待ってたら

日差しが気持ちよくて

気づいたら寝ちゃったみたいで







・・・目を開けると愛おしいAちゃんの顔



長い睫毛、透き通った白い肌

こげ茶のサラサラな髪の毛

笑ったときにできる可愛らしい笑窪



全てにおいて愛おしくて仕方ない





でも綺麗なAちゃんの顔には

明らかに似合わない涙の跡が頬にあって、






阿「 どう、したの、？」


そう聞いてもAちゃんは寝たままで。



ふと、目線をそらすと見えたのは

ボロボロの教科書とノート





阿「 なに、これ、」





そしてAちゃんは上履きも履いてなくて

イジメかな、なんて察する





・・・もちろんその原因は俺ら生徒会なわけで。







とりあえず生徒会のグループLINEを

開いてこのことを報告することにした






阿「 なんで言ってくれなかったの、？


Aちゃんは俺が守るよ、

Aちゃんのヒーローだもん、」




返事のないAちゃんにそう言い

彼女の涙を優しく拭いた

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