133話 明日が怖くて ページ10
学校に行くだけでも勇気が必要となったA。
ショックを受けたのは勿論だが、情けないと思う気持ちもあった。
教室へ入ると、セイカと目が合う。
怖い。
昨日のことを思い出すと、Aは声が上手く出せなくなった。
セイカ「Aおはよー」
A『あっセイカ…うん』
セイカ「は？何でちゃんと挨拶してくれない訳」
セイカ「Aってそういう奴だったんだね」
A『ち、ちがっ…！』
セイカ「へぇ…そっか」
Aに呆れたセイカは、くすくすと笑いながら他の友達のところへ行った。
A『セイカっ…！！』
セイカ「……ふっ」
やっぱりセイカは昨日のままだった。
寂しい。
悲しい。
憎い。
今までこんな感情になったことなんてなかったのに。
A『っ、セイカ！！』
セイカ「は？何あんた。あたしの名前呼ばないでって言ったでしょ」
今言わなければ一生このままだ。
セイカの間違いを解く為、勇気を出して、
セイカを信じて、
自分を信じて、
Aはセイカに本当のことを言った。
A『は、ハンターのことなんだけど！セイカ間違ってるよ！ハンターは世界を冒険したりする危ない仕事だけど、皆が皆悪い人じゃない！中には悪い道に走っちゃう人もいるみたいだけど…それでも私は絶対、絶対誰かを殺したりなんかしない！信じて！セイカ間違ってる！！』
Aが全てを告白している間に、その場は昨日と同様静まり返った。
Aは信じる。
セイカを、自分を。
セイカ「…はあ？あたしのどこが間違ってるっていうの？」
A『っ！？』
Aの願いも虚しく、セイカは先程と同じ冷たい目をAに向けた。
いや、先程よりもずっと、ずっと色のない目で。
セイカ「ハンターなんて、一歩間違えれば人殺しなんでしょ？しかもあんたは連続殺人犯になるだろうって。そんな奴を信じろって？冗談もいい加減にして」
A『だ、だからちがっ』
セイカ「意味分かんない、あんたなんか消えればいいのに」
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作者名：ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時：2023年3月26日 10時
