【H×H】独り娘のWaltz 終焉-エピローグ-5 (ページ24)

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147話　思いは全てに影響するページ24

それからシオナは毎日傷を作ってきた。

それでも笑顔は崩さなかった。

セイカはそんなシオナを見て笑っていた。

Aはそれを見て、今度はシオナのいる前でセイカに手を出してしまった。

A『いい加減にしろって言っただろ！！どうして私だけじゃなくてシオナにまで手を出すんだ！！』

セイカ「っ…なによ。離しなさいよ！！」

シオナ「Aちゃんやめて！」

先生「碓井さん！やめなさい！！」

A『私は引かない！！私は強くなるって決めた！！大切な人は…大切な人は私がこの手で守るって！！！』

その後、学校から逃げるように出て行ったAとシオナの2人は、近くにあった公園でクレープを食べていた。

シオナ「久し振りだね！こうやってAちゃんと学校の後一緒にいるの」

Aに向かって笑顔を向けるシオナ。

その反面、Aはクレープには手をつけず下を向いてばかりいた。

A『……ねえ、何でなにも話してくれないの』

シオナ「え？」

A『…セイカなんだよね。その傷。どうして……私に何も言ってくれないの』

シオナ「……」

2人とも下を向いたまま、少し遠くで烏だけが鳴いていた。

シオナ「だって私、Aちゃんといるだけで楽しいから」

A『っ！それとこれとは』

シオナ「別じゃないよ」

シオナ「例えどれだけ悲しいことがあっても、どれだけこの傷が痛くても、Aちゃんが隣にいてくれるから、そんな悲しみとか痛み、私の頭から消えてなくなっちゃうの」

A『…っ！』

シオナ「そうだ、今日初めて、私のこと「シオナ」って呼んでくれたよね？あれすごく嬉しかったんだ！」

A『…』

シオナ「Aちゃん」

シオナ「守ってくれて、ありがとう」

強くなると決めたのに。

シオナの言葉で涙が止まらない。

守られているのは自分の方だ。

A『…っうん』

初めて食べたクレープ。

赤い苺は生地に守られている。

　
味はしなかったが、そんなの気にならないくらい美味しかった。