【H×H】独り娘のWaltz 終焉-エピローグ-5 (ページ19)

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142話　完成ページ19

セイカが自分に、あんなことをするだなんて認めたくなかった。

その思いが、Aの頭に焦げ付いて離れない。

深く考えてみる。

考えてみれば、自分にも悪いところはあったと思う。

誤解を解くのを諦めてしまったし、
突然こちらの意思で気を失わせてしまったし。

セイカが自分を嫌がるのも分かる気がする。

じゃあ、なんで笑ったの。

セイカ、私のことを

裏切ったの？

A『裏、切……っ？』

すぐに泣いてしまう自分が情けない。

だけど、Aの頭からは、そんな情けなさはすぐにどこかへ消えた。

人間は、皆こんなものなのか。

自分を守る為なら、他人なんて簡単に裏切る。

自分の為なら、自分の欲の為なら。

そんな人間ばかりなのか。

エゴばかりで自分勝手で、他の人間のことなんて笑って馬鹿にするような。

そんな人間ばかりなのか。

「大嫌いだから」

ああ、やっぱそんなもんか。

じゃあ次に誰かと出会っても、裏切られて自分だけが辛い思いして終わりなんだ。

人間なんて信じちゃいけない。

信じたところで

裏切られるだけだ。