終点の一歩手前で貴方を待っている。 (ページ4)

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公子side

書類が毎日増えたり減ったりを繰り返して

はや一週間が経った頃には就任関係の書類から

ファデュイに関係する部分的な書類に変更しながら

増えたり減ったりをまた一週間過ぎた。

そして、休暇がやっと貰える三週間目に突入した。

「さて、俺は召使の命令で行かなければならない場所に

　行ってくるから。今日から一週間はここを開けるから。

　君たちもこの一週間色々なことに使ってくれ。

　但し、鍛錬は怠らないように。

　そうすれば、女皇様の崇高な考えに近づく
　
　礎になることが少しでも出来るかもしれないから

　絶対に怠るなよ。」

そう、部下達に休暇を言い渡すのと同時に

簡易的な命令をして俺はこの部屋から出た。

　｢｢かしこまりました。公子様の仰るままに。
　
　女皇様の崇高な御幸に感謝を申し上げます。｣｣

そんな部下達の声を聞き流しながら

部屋から遠のいた。

執行官だけに用意される自分の部屋に帰ってきて

プライベートで着る服に着替えて

城にいる少女に向けてのプレゼントを買いに行くために

街の商店街に向かった。

久しぶりに来た商店街はいつも通り人だかりが多く

活気に溢れていた。

ここに兄弟達がいたらどんなに楽しいだろうか

と、考えるのは少し悲しいから

城にいる少女に何を渡そうかという思考に

移行して、自分の感情の中位を変更した。

しかし、歩いても歩いても良いものがない。

少女だから、時計とか服などは初対面の人に

送るのはどうかと考えているうちに

時間はどんどん過ぎてしまい

時間は午後の3時になっていた。

行き詰まっていたので、ちょうど良いところにあった

カフェに寄ってタルトタタンとコーヒーを頼んだ。

このケーキはよく兄弟達とりんごがたくさん取れた日に

一緒に作って一緒に食べた思い出のケーキだから

兄弟達への恋しさから無意識の中で選んでしまっていた。

まぁ、日頃の俺へのご褒美としていいかと自分の中で

理論を立てて、ちょうど届いたタルトタタンとコーヒーを

食べた。

やっぱり、久しぶり食べたタルトタタンは

ぽっかり空いた心の穴に少しだけ暖かさが生まれた。

『よし、少女へのプレゼントは
　
　リンゴのジャムが施されたクッキーなどが入った
　
　クッキーボックスにしよう。』

そうして、代金を支払ってから

ケーキ屋さんに赴いた。
　