神は悪魔と恋に堕ちる【Kwmr】 (ページ2)

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悪魔が2人ページ2

No side

『おはよう、皆』

首筋に彫られた紫色の豚の小さなタトゥーをチラつかせながら、一人の女性がQuizKnockのオフィスに入る

そう、彼女こそが｢知識の悪魔｣と呼ばれている遡月零だ

河｢おはようございます、零さん｣

『拓哉さん、おはようございます』

デスクが隣同士である河村と遡月

どこか似ているようで全く違うような2人は他のライターからには｢人とは少し違う次元にいる｣と密かに噂になっている

伊｢零、昨日の動画編集終わったか？｣

『あぁ、終わったよ伊沢
あ、後、記事が書けたんだ後で見てくれるか？』

伊｢もう？！一昨日、ネタが降りてきたって言って書き出したばっかりじゃないか｣

『やりたい事は早めにやる主義なものでね』

驚く伊沢にそれが当然のような雰囲気を醸し出す遡月と河村

こんな会話は設立当時から何度もしているため、伊沢は1つ溜息をつき遡月からPCを貰い、自分のデスクに戻っていく

河｢零さん、この前話した企画どうですかね？｣

『あぁ、拓哉さん
この企画、もう少しこの番組に近付けた方が良いかと…』

河｢あぁ！それは良いですね｣

？｢あぁ〜またクイズかい？零｣

遡月の事を後ろから抱きしめるようにしてPCを覗き込む一人の男性

遡月と同じ白い髪に深紅の瞳

身に付けている服は瞳と同じ色をしたシャツ以外ジャケットから革靴までが黒い

河｢ベルゼブブ
また、遊びに来たんですか｣

ベ｢やぁ、カワムラ久しぶり｣

河｢そう言っても貴方と会ったのは二週間前ですよ｣

河村の華麗なツッコミにケタケタと笑うのは遡月家が代々契約を交わしている

七つの大罪の一人、｢暴食｣の悪魔ベルゼブブ

ベルゼブブが姿を現すと遡月の首筋のタトゥーは消えてしまう

『ベル、仕事の邪魔をするのなら聖水を掛けますよ』

ベ｢いやぁ〜、怖い
うちの主人は野蛮ですな〜｣

意地の悪い笑みを浮かべたままベルゼブブはゆっくりと姿を消して行った

『すみません、うちの悪魔は躾がなっていなくて』

山｢あ、ベル帰っちゃいました？｣

こ｢次、此処にやってきたら色々な話聞かせてもらう約束したのに…｣

河｢呼んだら来るでしょう｣

シュンとした2人に河村が助言を託すと2人は一気に輝くような笑顔に変わり、ベルゼブブの名前を呼ぶ

『異様ですね…笑』

河｢まぁ、普通の人だったら悪魔なんて信じないでしょう｣

『って言うはずなんですけどね…』

河｢まぁ、悪魔が2人もいれば嫌でもなれるでしょう｣

此処には、悪魔が二人いる