第一話 「一般人は迷子になったら目立つ建物を探しましょう」 ページ4
ピヨピヨ。チチチ。小鳥の鳴く声が聞こえる。ねむい。
「………zzZ」
サァァ。近くで水が流れる音が聞こえる。眠い。
「……ぐがッ！……zzZ」
カァァァ！！！！ カァッーーー！！！！！
「ほんぎゃああああああ！！！？？？」
大きな鳴き声に悲鳴をあげた。起き上がるとカラスが遠くに飛び去っていくのが見えた。あいつか！ あいつが大声の犯人か！！！
「あー、ビビったぁ………ん？ んー？ ん゛ん゛？」
あれ？ 声が低い？ というか、心なしか体が重い。鏡的なものがないかと立ち上がって辺りを探すと、近くに小川があった。水の反射で自分の姿が見えるだろうと思い覗いてみる。
「お、お、おぉぉぉ！！」
神サマに頼んだとおりに男になってる！！！ 声が低いのもその為か！！！ ペタペタと身体の色んなところを触ると、ほどよく着いた筋肉がふおおおおお！！！！ 腹筋ついとる嬉しい！！！
「おほー、若干某万事屋主人の声に似とる。地味に嬉しい……」
髪も背中まであったのがショートカットにされ短くなっている。少し筋肉も付いており、全体的に男らしい肉つきだ。シンプルにYシャツとジーンズという服装。うっひょ、ハンサム系とか分かってんじゃねえか神サマ！ いい酒飲めそうだぜ！
「っと、興奮するのも後にして、これからどうするか」
私が今いる場所は森の中だ。ここってワンピースの世界だから島だろうな。ここの島には人がいるのだろうか？
「こういう時のためにサードアイを頼んだんだよな」
説明しよう！ サードアイとは透視能力の一種で、某心理スタイリッシュゲーの能力でもあるぞ！！ さて、早速試してみよう。……どうやってやるんだ？
「えーっと、あ出来た……」
目を閉じると暗闇のなかに緑色の線が浮かび上がった。よく見ると木などを形どっている。なーるほど。景色が図形みたいに見える。少し目をこらす……というか、感覚的にそうすると東の方向。遠くに町が見えた。目を開くと普通の景色に戻った。なんとなく使い方が分かった。いっちょ歩きますかね。
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作者名：妖怪妄想ババア | 作成日時：2018年7月24日 1時
