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開いていたドアから、ひょこっとエースが顔を出した。ベッドで女は口元を抑えてもだえていて、ナースはそれを心配して側にいて、俺は本を持って固まっている。この状況を見てエースも勘違いをした。
エース「サッチ…世話に疲れたからって暴力ふるうのは流石に」
サッチ「違うわバカ！」
ニナ「ん〜…」
ナース「痛みが引いてきたかしら、大丈夫？」
ニナ「…うぅ」
痛みが治まった女が次に取った行動は、俺を見てベッドの端に静かに移動し、俺を見ながら体育座りだった。それはまるで俺が暴力をふるったことで怯えたかのように見えた。
ナース「…サッチ隊長」
エース「…サッチ」
サッチ「…最初から話を聞いてくれ」
俺は本を袋に戻し、女が目覚めてからこうなった経緯をすべて二人に話した。
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ナース｢船長が来るまでご飯に興味を示していたんですね？｣
サッチ｢そうだ｣
エース｢そっからマルコが持ってきた本の入った袋に興味をうつした…｣
サッチ｢そうだ｣
エース｢…どうやって本と飯を間違えるんだよ？｣
ナース｢うーん…湯気に驚いた子だからありえるわ｣
サッチ｢そうなんだよ…｣
エース｢え、湯気に驚いた？…お前バカなのか？｣
ニナ｢…｣
女はずっとベッドの端で体育座りをして動かない。そして怯えた目で俺をずっと見ている。俺はだんだん罪悪感で気分が沈んできた。
サッチ｢はぁ…だって急に噛むとは思わねぇじゃん｣
エース｢そういえばお前が船内にいるの初めて見たな。この部屋こいつの部屋にしたのか？｣
ナース｢エース隊長、しばらく黙っててください｣
エース｢えっ、……｣
ナース｢…サッチ隊長、噛んだ本はどれです？｣
サッチ｢え？ちょっと待て…これだ｣
ナース｢それを彼女に食べ物じゃないことを教えてあげてください｣
｢｢…え？｣｣
俺とエースは頭に？が大量発生した。
ナース｢食べ物と間違えたなら間違いを修正してあげればいいんです。この子が何も知らないことはお世話をしているサッチ隊長が一番分かっているでしょ？｣
サッチ｢なるほど…｣
俺たちは本を見れば食いもんじゃないことはすぐ分かる。さぁ、それをどうやって教えりゃいいんだ…。
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作者名：こた | 作成日時：2020年10月22日 0時
