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ブレインハム｢親父、どうする？｣
全員で親父を見る。親父は女を哀れんでいる目で見ていた。
白ひげ｢…とりあえず船に乗せとけ、その後どうするかはまた後だ｣
ニナ｢…うぅ｣
マルコ｢分かったよい、そいつを牢屋にぶち込んどけ。飯は与えろ｣
｢はい、おい、行くぞ｣
ガシッ
ニナ｢！、うぁぁ！｣
｢！な、なん｣
ガブ！
｢うわぁ！｣
噛まれたやつの腕にはくっきりと歯型がつき、血がダラダラと流れていく。手足が縛られているため、暴れ回ったりはしてないが、目には最大級の警戒の色が見える。
｢い、いでぇぇ！｣
マルコ｢早く医務室にいけ、いきなりなんだよい｣
キングデュー｢…いきなり触られたことに驚いたんじゃないか？特に後ろから腕を掴まれたことに驚いた様子だった｣
エース｢…あいつ、今まで他の人間見たことねぇんじゃねぇか？｣
それまで珍しく黙っていたエースが言った。
ラクヨウ｢さすがにそりゃねぇんじゃねぇか？船の一つや二つこの島に来たことはあるだろ｣
エース｢だって、あいつずっと俺達のこと不思議な目で見てたぞ。同じ生き物だけど、知らない言葉を喋って、よく分からない物を身につけてるって感じで｣
イゾウ｢…野生児同士で分かり合えるもんでもあったかい？｣
エース｢うるせぇ、俺はただ……可哀想な奴だなって思って見てただけだ｣
エースに返事をするやつは誰もいなかった。みんなエースと同じように、女を“可哀想”と思っていたんだろう。人として生まれたのに、人として生きられない“可哀想な奴”と。
白ひげ｢…牢に閉じ込めんのは無しだ。そいつを今日から船に乗せる｣
ナミュール｢…親父、このまま放置するってのもこいつの幸せなんじゃないか？｣
白ひげ｢…それもそうかもしれねぇが、それじゃあ人間として生まれた意味がねぇ。こいつはただの動物として生まれたんじゃねぇ、それを俺たちが教えてやるってのもいいんじゃねぇか？なぁ、マルコ｣
マルコ｢…あぁ、海賊もたまには善を稼がねぇとな｣
サッチ｢…俺は賛成だ｣
エース｢俺も｣
ジョズ｢…俺も｣
他のやつも全員賛成と言い、女は船に乗ることになった。女は自分が置かれた状況をわかっていない様子だった。
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作者名：こた | 作成日時：2020年10月22日 0時
