【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ10)

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110話ページ10

数日後、海軍基地に戻ったAはヴェルゴに書類を渡す時に一瞬子供たちの誘拐の件を聞くかどうか迷ったが、結局何も言わなかった

一応海軍の中では事故として処理され終わった事件

余分な仕事をするべきではないと咎められるのは面倒だった

書類の確認が終わり、部屋を出ようとした時Aはヴェルゴの机上にローの手配書が載っているのを見つける

最近は特に何も起こしていないはずだが、少し気になった

｢トラファルガー・ロー、最近何かしましたっけ？｣

何ともない風に聞いたのだが、ヴェルゴは予想以上に大きく反応した

｢いや……さすがに政府の犬になってからは何もしていないだろう
ただ、クロコダイルのような例もあるからな
何もしていないからこそ、何かを企んでいる可能性もあると思ったまでだ｣

｢確かに、そうですね｣

Aは最後の七武海の会議で出会った時のローを思い出していた

あの目は確かに何かを企んでいるように思えたから、ヴェルゴの疑いも的をえてると言える

｢海軍本部での七武海の会議には君も参加していたようだね
どんな男だった？｣

｢会議には毎回来ていたので、七武海の中では優等生でしたね
それに、死の外科医なんて言われていますが話してみるとそんなに怖い人ではなかったです｣

ローがAに対してそのような態度なのは過去に関わりがあったから、かもしれないがそれはヴェルゴに言うことではなく、Aはところどころを上手く隠しながら話した

記憶がないこと同様、過去に海賊と関わりがあった可能性をわざわざ知り合ったばかりの海兵に話すほど馬鹿ではない

ヴェルゴは納得したように頷く

｢情報をどうもありがとう
G5にいると海軍本部の細かい内部のことまでは入ってこないからな｣

｢いえ、別に大したことではないです｣

そう答えると、Aはようやく部屋を出た

それから数日は、仕事をしながらも子供の誘拐事件について調べていたが、情報はやはり少なく、証拠もほとんど見つからなかった

それにAは海兵であって探偵ではないので調べるのにも限界がある

しかし、見つからなければ見つからないほど、事件は逆に怪しさを増していたのだった