【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ25)

今日:9 hit、昨日:45 hit、合計:65,107 hit

125話ページ25

｢おい！Aーー！大丈夫か！？｣

ルフィが心配そうに叫ぶのも無理はない

あのフラスコの中身が飛び散ったことで、Aだけが様子が一気に変わったのだ

｢ハァ、ハァ……｣

Aがなんとか伸ばそうとした手をシーザーが踏みつけた

｢まだてめぇの体内には薬がたんまり残ってる
その状態でこの薬の原液の香りを目の当たりにすりゃあ、耐えられねぇよな？｣

たしぎが不快そうにシーザーを見上げる

｢なんて卑怯な…！｣

先程の煽りがAに全く届かなかったことを根に持っているのだろう

｢あいにく今は床にしか薬がねぇんだ
飲みたきゃ床でも舐めてろ｣

Aは踏まれていない方の手でシーザーの脛を殴る

｢お手本、見せてもらってもいいですか？｣

シーザーが痛がりながらAの手から足を離すと、Aは軽く飛んでシーザーの頭を掴み、そのまま床に押し付けた

その次に怒りむき出しで立ち向かってきたモネの攻撃をいなしてそのまま背中に蹴りを入れると、先程壁にめり込んだヴェルゴが復活する、これでタイマンというわけだ

しかしAの身体はもう限界を迎えており、1歩出遅れたその瞬間ヴェルゴがAの腹部にある傷を触る

そのまま力を入れて傷を思い切り握りしめた

｢ぁあ、っ！｣

傷が徐々に開き始める、痛みはさらに増していく

Aは痛みに耐えながらヴェルゴに顔を近づける

ここで使いたくはなかったが仕方あるまいと、覇王色の覇気を全開にした

気絶まではいかずともヴェルゴは少しの間動きが止まる

｢……！？｣

距離を取って呼吸を整えるも、もうこれ以上戦うのは無理だった

その様子を真っ先に感じ取ったローが言う

｢A、そのまま傷口が開いたらお前の身体も危ない、今は何もするな｣

Aは不思議そうにローの目を見た

｢研究所の入口で落ち合おう｣

ローが小声でAに指示をすると、Aは頷く

そしてその瞬間剃で部屋から姿を消した

ボロボロの体を引きずってなんとか走ると、この建物の入口らしきところにたどり着いた

誰も追ってこないことを不思議に思っていると、シーザーの声が遠くから聞こえる

初めのうちは時間が遅れた、余計なことで体力使わせやがって、とAへの不満だったが徐々にこれから行うことについて闇のブローカー達に話し始めた

どうやら相当大きな毒ガスの実験をこの島全土で行うらしい

嫌な予感がしつつも身体を休めていると、ガスが広まったと思われるシーザーの楽しげな声がした