【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ12)

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112話ページ12

怪我人の手当てや、海賊たちの捕縛を行なっている間、スモーカーがAに声をかける

｢そんな好き勝手やっててよく今まで本部にいられたな｣

｢そうですね、自分でも長くいられた方だと思ってますし、左遷されたのは自業自得だと思ってます｣

Aの左遷された本当の理由は1部の人しか知らないので、当然明かされていない

ふと、スモーカーが思い出すようにAの方を見ながら足元にいた海賊の腕に手錠をかける

｢そういやお前、海軍に正式に入隊したのいつだ？｣

｢あぁ、確かに少し異質でしたよね｣

Aは少しだけ昔のことを思い出す

9歳の頃に拾われたAはガープやセンゴクの元で訓練はしていたが、入隊はしていなかった

17歳になってようやく海兵として働き始めたが、8年の修行が実り、異例のスピードで出世をし、20歳で中将という地位にまで上り詰めたのだった

当時はどうしてそこまで気にかけられるのかわからなかったが、今ならわかる

シルフィーとして利用するために育てていたのだから、付きっきりになるのは当然だろう

そんなことを思いながらAは拾われてからの一連の流れを適当に説明した

海賊たちを牢に放り込みながらそれを聞き終えたスモーカーは素朴な疑問を口にした

｢ならお前、海兵を辞めたいと思ったことはねぇのか｣

｢…！｣

｢拾ってもらった奴らに恩があるだけで海兵やってんなら、明確に正義の意志があるわけじゃねぇんだろ｣

いきなり核心をついてくるスモーカーにAは驚きながらもいつものように落ち着いて言った

｢スモーカーさんは本部にいなかったから知らないと思いますけど、本部の中将たちのほとんどは皆早く辞めろと思ってましたし、私が機会さえあれば海軍を辞めようと思っていることも皆知ってましたよ｣

｢…そうか、悪かったな余計なことを聞いて｣

珍しくスモーカーの方から謝ったのが少し面白くてAは笑う

｢別に、大したことないですよ｣

最後の海賊たちを牢に入れて鍵を閉じると、Aとスモーカーは揃って甲板へと戻った