QKのNo.2は… (ページ15)

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どんな色が好き？ページ15

side You (izwさんしか出てきません)

｢ねぇ、A。
どんな色が好き〜？｣

幼い頃、聞いたことある色の歌を伊沢さんが口ずさむ。

伊沢さんは適当にギターを弾いていて、私はスケッチブックに絵を描いている。
何も変哲のない私たちの休日。

『赤い色が好き〜。』

ちょうど、私が塗っていた色が赤だったので、そう歌って返す。
すると、伊沢さんは少しだけ満足そうな顔をして

｢1番先に無くなるよ、赤いクレヨン〜。｣

『QuizKnockの色ですね、赤色は。』
｢じゃあ、1番先には無くならないな。｣

そんなことをいきなり言い出すから、私の色を塗っていた手は止まる。

伊沢さんの顔をじっと見ていると、伊沢さんは柔らかく笑いながら｢だろ？｣と言って私の頭をくしゃくしゃと撫でる。

｢何描いてんの？｣

『秘密です。』

と答えると伊沢さんは私の後ろに回り、バックハグをしながら私の絵を覗き込む。

｢ねぇ、A。｣
『なんですか？伊沢さん。』

と言って、後ろに振り向くとさっきとは違ってニヤニヤと笑った伊沢さんが目に入ってくる。

｢これってさ、俺でしょ？｣

『正解かもしれませんね。』

｢素直じゃないなぁ〜。｣

『そんなこと、伊沢さんが1番よく知ってるじゃないですか。
私が、素直じゃないことくらい。』

と言いながら、赤色で服の上着を色付けていく。

｢ねぇ、A。
赤色ってQuizKnockの色だけじゃなくて、俺のイメージカラーでもあるんだけど？｣

『それも踏まえて赤色が好きって言ったら？』

｢ほんとに、素直じゃないな。｣

今度は、私が先程の伊沢さんのような笑顔を浮かべながら言うと伊沢さんは困ったように笑ってそう言った。

｢Aってさ、なんで左耳のピアス5つ開いてるのに一つだけ付けないの？｣

『ん〜、特に理由は無いですね。』

｢じゃあ、これあげる。｣

と言って、伊沢さんは私の左耳にあるピアスを付けてない唯一の穴にピアスを付ける。

『え？』

驚きの声をあげながら、私はスマホのカメラ機能で伊沢さんがくれたピアスを見てみる。

赤色のI。
そのピアスが他のものより、一際目立っている。

｢ちょっとした独占欲。
それと、サプライズプレゼント。｣

いたずらっ子がいたずらに成功したような意地悪な笑みの伊沢さんはピアスを触りながらそう言った。

『可愛い独占欲だし、気に入ったんで毎日つけます。』

｢やった。じゃあ、ご褒美。｣

『プレゼントなのに？
では、名前呼びなんてどうでしょう。』
｢乗った。｣