頬に星屑を詰め込んで (ページ9)

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［６］冒険ページ9

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来年からは1人ぼっちなんだと思うとヌナと顔を合わせるのも怖くなって、学校に行く事すら苦痛になった。

自分の部屋に閉じこもって大好きな音楽を聴く日々は寂しいけど悲しくはない。
ヌナに会いたくて堪らないけど、それでも。

親が作ってくれた朝ごはんを食べて、テレビの天気予報を聞いていて、

ピンポーン＿＿＿＿＿間違いなく俺の家のチャイムだ。

こんな朝から家に誰かが訪ねてくるなんて今まで無くて、親もとっくに仕事に行っていたから俺は恐る恐るドアを開けた。

「え、ヌナ……？」

「おはよう、ジソンア」

「な、何でここに、」

学校に通わなくなってから1ヶ月くらい経った頃、ヌナが家に訪ねてきた。

いつもと変わらない端正な顔と優しい声。
違うのは服装だけ。

ヌナはこの街1番と言っても過言では無いほどのお嬢様だからいつもは相応の服装だったけど、今は見たことも無いラフなTシャツと短パン、少し汚れたスニーカー。

「最初は私のピアノが飽きたのかと思ったの。
でも気になってジソンイの教室に行ってみても姿が見えなくて、先生に聞いたら1ヶ月来てないって言うから宿題やプリントを渡しに行きますって言ったら住所を教えてくれたの」

「でももう学校行く時間じゃ…」

「今日は私も学校に行かないわ」

「え！？」

「ジソンア、今日は暇？」

「う、うん」

「じゃあ今日は私と一緒に遠出しましょう」

リュックにおやつとジュースとカメラを入れて俺はヌナと家を飛び出した。