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韓国に住む友達からトークに送られてきた1枚の写真には、私が大学生の時から付き合っている彼と知らない女性が密着して写っていた。
〈ごめん、送ろうか迷ったんだけど…〉
〈これユキの彼氏だよね?〉
夜なのにやけに明るく写る街灯のおかげで彼の顔はよく見えたし、女性の腰に手を回しているのもしっかり確認できた。
すぐに彼氏に連絡すれば、“俺を置いて海外に行くのが悪い”と開き直られる始末。
ドイツにいる間にあっさりと幕を下ろした私の恋。
それでも泣く暇なんて無くてひたすらピアノと向き合っていた。
むしろピアノを弾いている時だけが無心になれて楽だったの。
「…ユキヌナ、個室だし泣いてもいいよ」
「……やだ、メイクが落ちちゃうぅ」
「俺しか見てないし帰りはキャップ貸すから、」
知らないうちに目に涙を溜めてて、ジソンイの言葉でついに溢れ出してしまった。
そう言えば高校生の時から彼氏に振られてはいつもジソンイに慰められていたと今になって気付いた。
5歳も離れた弟分に慰められるなんて本当に情けないけれど、でも何故か彼氏に対していつも威嚇していたジソンイだからこそ結局彼に頼ってしまうのかもしれない。
「…落ち着いた?」
「うん、ありがとう」
「やっぱりヌナは男を見る目が無いんだよ」
「えっ、今やっと落ち着いたのに傷抉らないでよ」
「あぁごめん」
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作者名:ばみ x他1人 | 作成日時:2023年10月25日 5時