頬に星屑を詰め込んで (ページ5)

今日:18 hit、昨日:102 hit、合計:32,639 hit

［４］報告ページ5

．

「そう言えばジソンア、恋人出来たの？」

「出来てないけど…、何で？」

「ジソンイが作った曲聞いたの。てっきり恋してるのかと思ってた」

「そういう系の曲は大体映画とかアニメとか見て作ってるんだよ」

「そうなの？想像力すごいね」

「それ褒めてる？ていうか俺の曲聞いてくれてたの？」

「私ジソンイの活動応援してるつもりだったんだけど？」

＿＿＿俺の好きな物は分かるのにどうして俺の好きな人は分からないの？

ヌナのことは何にも替えられないくらい大好きだけど、俺にそう言う事聞いちゃうヌナは大嫌い。

……あぁもう、こんな事考えたくないのに。

ヌナへの不満が次々と溢れ出して止まらなくなって、
大人のヌナとは対照的に子供じみた自分が憎くてたまらなくなって。

美味しいよってお勧めした筈の料理はもう味がしなくなって、

「ジソンア、」

「…………」

「私、また彼氏に振られちゃった」

「………え？」

「私のどこが駄目なんだと思う？」

「そんなの俺が聞きたいよ…」

ヌナは昔からモテるから何度か彼氏が出来ていたけど結局は全員に振られている。

ヌナは告白された時、相手が好きじゃなくても“嫌いじゃないから”という理由でいつも振らない。
最初こそ男側の一方通行な関係に見えるけど、半年ほど付き合えばヌナも相手の事を好きになっていく。

その果てに振られるもんだから当然ヌナも落ち込んでいたし、慰めるのはいつも俺の役目だった。

だけど俺もヌナが何故毎回振られるのか分からない。
容姿は勿論、少し端的なところがあるだけでとっても優しいはずなのに。
ヌナを振るなんてどんだけ贅沢な奴らなんだろう。

勿論ヌナの過去の男は全員名前も顔もしっかり覚えている。言い出せばキリがないくらい気に食わない奴ばっかりだった。

それでも今までで1番長く付き合っていたから今回ばかりは上手くいっていると思っていたのに。