［１５］鉢合わせ ページ24
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見事に意気消沈しているハニは弱々しくもチョコタルトを食べて「おいしい」と呟いていた。
結局ハニが元気を取り戻せないまま2人とも完食してしまった。
「そう言えばいつの間にかタルトとアメリカーノがテーブルにあったけど、俺払ってないよね？」
「ただカフェに付き合って欲しかっただけだからいいよ」
「わぁ、ヒョンジナすごくかっこいいね。
俺が女の子だったら惚れてるよ」
やっぱり少しは元気出たのかな？
でも相手の人から返事が来ない限りハニは落ち込み続けるだろうなぁ、と思いながらカバンからマスクを取り出すうちに忘れ物をしてしまったことに気がついた。
「俺スタジオに忘れ物して来ちゃった」
「そうなの？じゃあ取りに戻る？」
「ハニは先宿舎戻ってていいよ」
「俺も作業部屋に充電器を取りに行きたいから行くよ」
.
.
「なんか凄く綺麗なピアノが聞こえない？」
「……うん、聞こえる」
事務所に入ってスタジオに向かう途中、何処かの部屋からピアノの音色が聞こえてきた。
ピアノを使うグループは俺が知る限りそんなにいない。
一体どのグループが使ってるんだろう？
…どんなに気になっても部屋を覗きに行くのは流石に控えよう。
「早くスタジオに行こう」
「あ、うん」
スタジオにあった俺のモバイルバッテリーを見つけると、ハニは何だか焦っている様子で作業部屋に向かった。
「ハナ〜、何でそんな急いでる…の…」
ハニを追いかけてスタジオを出れば、そこには立ち竦んでいる彼と、何処かで見たことのある綺麗な女性が向かい合っていた。
どういう状況なのこれ。
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作者名：ばみ x他1人 | 作成日時：2023年10月25日 5時
