頬に星屑を詰め込んで (ページ21)

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ジソンイが出て行った後、暫く立ち竦んでいた。

困り果てて苦しそうにした彼の表情が脳裏から離れない。

早く電話をかけて謝るべきだって分かっていても、まるで石を背負ってるみたいに体が重くて動かなくて、そのままピアノスツールに腰をかけた。

何であんな事言っちゃったの、ジソンイはちっとも悪くないのに。
否、理由は分かっている。

昨日から鳴り止まない私のSNSの通知だ。
案の定＿＿さんのファンは突然の告知に驚いた様で、私を良く思わない一部の人達からの通知が私を悩ませているのだ。

話を受けた時からこうなるのは覚悟していたけど、想像を絶する言葉を見て気持ちに余裕が無くなっている。

じゃあ話を受けなければ良かった？
違うの、私はこの話を受けて後悔はしてない。

他のアーティストと共同で曲を作るのは初めてで、これが良い機会だと思った。
音楽で生きていく為には、アイドル業界に疎い私の視野を広げるのも必要だと思った。

でもその選択は間違いだったかもしれないと一瞬でも頭を過って、何も関係無いジソンに八つ当たりしてしまったんだ。

「…5歳も下のジソンに何してんだろう、みっともない」

スマホの画面を見てみると、大量のSNSの通知の中に一件だけトークアプリからの通知がある。

＿＿さんからだ。

〈ユキさん、こんばんは。
明日の練習の後に本番の打ち合わせをもう一度してもいいですか？〉

　

明日はあちらの事務所で伴奏と歌を合わせる練習の予定がある。
クリスマスに放送される音楽番組で＿＿さんと出演して曲を披露するのだけど、その件で打ち合わせをしたいらしい。

ジソンイも明日事務所にいたりするのかな？
もし会ったらどんな顔をするだろう。

……一刻も早くジソンイに謝らないと。