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[8]アイドルな弟分 ページ13






あれから数週間、約束通り録画した音楽番組を見ることにした。

曲は聴いたりしていたけど歌って踊っている姿はあまり見てこなかったから、アイドルのジソンを見るのに何故か少し緊張する。
親目線になっているのかもしれない。



司会の人に紹介された彼らがステージに立つと曲が始まった。

セットされた髪と目元の濃いメイク、それからキラキラの衣装が私の知るジソンとは程遠い姿で、今私はアイドルの彼を見ているんだと改めて実感した。


彼が作曲に携わったらしいこの曲は明るいポップな音の上に少し切ない歌詞が乗っかっている。

彼はこんなに素敵な曲を作り出す事ができるんだ。
一体何処にこんな才能を隠し持っていたんだろう。




〈番組見たよ。頑張ったね〉




人と関わる事に怯えていた彼が、こんなに大勢のファンに応援されて素敵なパフォーマンスを披露するなんて思っても見なかった光景に自分のことのように嬉しく思う。

ジソンの魅力に沢山の人が気付いて彼を愛している。
こんなに嬉しいことは無い。





〈誰が一番かっこよかった?〉

〈ごめんジソンしか見てなかった〉

〈え?ほんと?〉

〈だってジソンしか名前と顔一致しないもん〉

〈もうヌナ〜!〉



吊り目になって怒りマークが付いてる顔文字も一緒に送られてきた。
だって本当のことなんだもん。ジソンイはメンバーの事をあまり話してくれないし。



〈じゃあ今からジソン以外のメンバーを見ようか?〉

〈やだ!見ないで!〉

〈どっちなの?〉

〈ヌナは俺のことだけ見てて〉

〈はーい〉

〈言ったからね!!絶対だよ!〉

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作者名:ばみ x他1人 | 作成日時:2023年10月25日 5時

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