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自分の家は静寂に包まれていて、さっきまでジソンといたせいかいつにも増して孤独に感じた。
 
高校生の時からピアノのコンサートを開催していた私が貯金で購入したこの家は広過ぎるけど、ピアノを部屋の中央に置いても窮屈感が無くて気に入っているのだ。


ソファに座ってふとチェストの上に置かれた、私の卒業式にジソンと撮った写真が目に入った。
たった2年会わなかっただけなのに、ジソンイは私が知らない間にすごく成長していた様に感じる。

あんなに声低かったっけ?
逞しい腕はきっと毎日ハードな練習をして鍛えているからかな?
いつから私よりも背が高くなったんだっけ。


それでも、まだ感情が顔に出やすい所は変わっていなかったな……


お酒を飲んだせいで立ち上がるのが億劫になってしまった。
火照った私は自分のアルコールの匂いであっという間に意識を手放した。





_______________

__________
_____




「ヌナ、どこに行くの?」



………ジソンア?
まだ幼いジソンイがリュックを背負って隣を歩いている。
私よりも背が低くて声も可愛らしいけど、私の姿は大人のまま。



「特に決まってないけど、ジソンイはどこがいい?」




あぁ、これは夢か。
あの日の夢を見ているのか。


隣街の大きい駅でサンドイッチを買ってから、海が見える公園でレジャーシートを広げた。

ギンガムチェックのそれにサンドイッチのソースが垂れたけど気にならないくらい、小さい口で沢山頬張って食べるジソンイが可愛くてずっとその姿を眺めていたような気がする_____






_____「…ヌナ、起きて」


さっきまで空の1番高い場所に太陽があったのが見えたはずなのに、今は何故か知らない部屋に寝転んでいた。

目の前には何故か大人のジソンイがいて、起き上がる私の顔を覗き込んでいた。



「…ヌナ、その服はどうしたの?」

「え?」
 


あの日着ていた服のままだ。
いつも通りの身なりだと街中で父の知人に気付かれると思って普段着ない服を着たのだ。



「まぁいいや。ヌナはどんな服だって綺麗だから」




ジソンイの前髪の隙間から彼の目が見えた。
なんだか私の知らないジソンみたいで、どこかおかしい。




「ジソンア?」

「なぁに、ヌナ」




優しい声なのに低くて、ジソンの声なのにジソンの声じゃないみたい。




「ここは何処なの?」

「そんな事気にしないで。ねぇヌナ、こっち向いて?」

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作者名:ばみ x他1人 | 作成日時:2023年10月25日 5時

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