アモーレ、たまごたち！

［作法委員会］ ページ21

翌日。

「さーて、次の委員会はー！？」

「作法委員会でぇーす」

兵太夫がニッコリと笑いながら手を上げる。

「作法委員会もといドＳ委員会！？仙様がいるところだねっ！任せて任せて、仙様とは肩を組んでコサックを踊るほどの仲だから！」

「こさっく……？」

きょとん、と虎若が目を丸くしたので、「南蛮の踊りだよ」と誤魔化しておいた。

「作法委員会は殴ったりではなく精神的に追い詰められることが多かったですね」

兵太夫は顎に手をあてながら思い出でも振り返るようにそう言った。その方は震え、目はどこか虚ろげだった。

「逆に追い詰め返してみちゃう？」

「え？」

「立花仙蔵のチャームポイントであるサラストヘアをボンバーヘッドにしよ」

ぶふっ、と全員が吹き出した。いやそうなる。そうなるよな！

「じゃあカラクリを使いましょー！これこれこのように……」

「ここに火薬を……」

三治郎が身を乗り出して兵太夫と一緒に設計図を考え始める。庄ちゃんに頼んで伝七を呼んできてもらうと、彼は右に彦にゃん、左に佐吉を連れて(しかも手を握って！)は組の教室へ入ってきた。

「ァ……ちょっと待って死ぬ可愛い……」

「三好さんが呼べって言ったんですけど」

「待って庄ちゃんに三好さんて呼ばれてる……夢？」

「昨日から呼んでましたよ」

容赦のない正論に心をズタズタに裂かれつつ、伝七と佐吉に笑顔を向けると、「アホの天女」と小さな声で呼ばれ＿＿＿は？アホの天女て言った！？

「アホって何！？私そんなにアホっぽいかな！？」

「あ、安藤先生がそう仰ったから！」

「絶対許さん……将来毛根が絶滅する呪いをかけてやる……」

ぷるぷると拳を握って震えていると、「アホのは組とお揃いみたいでなんか良いねー」としんベヱが笑ったので全部許した。もう呼べ。いっそ呼べ。アホの天女って呼べ。

「あ、そうそう！呼んだのはね、作法委員会仲直り大作戦、略して『先輩たちを纏めてカラクリにぶち込んでアトラクション気分で笑っちゃおう作戦』に参加してもらう為だよ！」

「どこも略せてねぇよ！」

伝七からの鋭いツッコミに胸を押さえる。可愛い。

「じゃあ『カラクリ作戦』で」

「略し方おかしいだろなんでそっちなんだよ」

佐吉も呆れたようにツッコミをしてきた。なんだコイツら！コメカミぐりぐりやったろか！？もー！可愛いんだからっ！とおでこを指で押してやると、大袈裟に尻もちをつかれたので自分の力が恐ろしくなった。

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