らんぺいじぼーい。

不思議な気持ちと写真 -RYU side- ページ42

あの事件があってから、俺は最近電車で帰るようになった。






彼奴を見かけるのはここだと聞いてたから。






理由はただ１つ。









Aに、早く帰ってきて欲しいから。









．









．

Aをあそこまで怖がらせた彼奴が許せない。






でも、手を出したらAが悲しむ。









だから









早く捕まえるんだ。









．









．









．

彰:「情報ゲットしたよ〜」


やましょーさんは俺の計画に賛成してくれて、彼奴についての情報を色々集めてくれている。





本来は警察がやる事なんだろうけど、やっぱり自分たちである程度はやっておきたい。




彰:「何か、他の芸能人にもやってる様な奴なんだってさ。顔が隠れてるし、毎日全く違う服を着てるから確信が持てなくて…っていう感じ」

龍:「成る程…」

彰:「まあ、俺写真持ってるしね。関係ない関係ない」




上機嫌でプリントアウトした写真をペラペラと捲るやましょーさん。




動画もあるし、写真もある。




もともと被害届は出てたみたいで、警察も捜してるらしいが見つからないと。




同性愛者とかそういう事？









彰:「しかし、龍がこんなに真剣に取り組むなんて珍しいよね〜」




やましょーさんが笑みを浮かべながら俺に言った。




彰:「そんなにAの事大事なんだ」




その笑みには何か深い意味がありそうで。





龍:「だって仲間ですもん」

彰:「本当にそれだけ？」




笑みを浮かべたまま俺にそう問う。




唇は笑っているものの、目が笑っていない。




全てお見通しとでも言うのだろうか。




龍:「…それだけですよ」

彰:「……ふーん。ま、龍は疎いからね〜。自分の気持ちに気付くのも遅いかな」





「俺は休むよ」と言って部屋に戻っていったやましょーさん。









．









．

ふと、プリントアウトした写真の中に一枚だけAの写真が混じっていることに気付いた。






引き抜いてみると、カメラに笑顔を向けているAの写真だった。









．

チクッ









．

胸の奥が、なんだか痛い様な、こそばゆい様な感覚におそわれた。









この気持ちは何なんだろう。









そう言えば、今までも何度かあった様な気がする。








決まって、Aを見た時だった。









…この気持ちって、何？

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