変な人とやましょーさんと ページ28
『…はぁ』
不審そう瑠唯さんの顔を背に、自分の部屋に戻る。
あれは一体誰なんだろう…。
．
．
『ッは！』
いつの間にか眠っていた様で、時計の針は午前1時を指していた。
嫌な時間に目覚めたな…。
そっと扉を開けると、リビングにはまだ明かりがついていた。こんな時間まで起きているのは一体誰なんだろう。
彰:「あれ、A。まだ起きてたの？」
『いや、さっきまで寝てました』
俺に気づいて微笑んだやましょーさん。
彰:「ふーん…。なんかあったの？」
俺の顔をじーっと見つめた後、溜める様にそういった。その言葉にドキッとする。やましょーさんには隠し通せない。話してしまおう。
『…さっき、一人で帰って来る時に誰かに着けられてたみたいで…。全身黒尽くめでガタイのいい男の人だったんですけど…。凄い怖くて、知り合いだったら申し訳ないし…』
さっきのを思い出し、また自然と身体が震える。怖い。
そんな俺を見て、やましょーさんは俺の手に自分の手を重ねた。
彰:「怖かったよな。話してくれてありがとな」
いつもとは違う、優しい声色のやましょーさん。恐怖が洗い流されていく様で、自然と涙が出る。
彰:「わっ、どうした？ 」
『なんか、あんしんしちゃって…』
とめどなく溢れる涙。前に全部流し切ったと思ってたのに。
．
．
彰:「大丈夫？ 落ち着いた？」
『はい…。すみません』
彰:「謝る事ないよ。怖かったもんな」
そう言って俺の手を摩るやましょーさん。暖かくて、安心する。
彰:「一人で帰るのはあかんな…」
悩むやましょーさん。今日は本当にスタッフさんも忙しそうで、一人で帰るしか無かった。
彰:「そうだ。今度から帰るとき俺呼んでよ。一緒に帰ろう」
『えっ、でも…』
彰:「だーいじょうぶ。ねっ？」
『…ありがとうございます。絶対呼びます』
やましょーさんがこんなに優しいのは珍しい。明日槍でも降るんじゃないか…？
彰:「じゃあ、今日は休もう。明日もダンスのレッスンがあるんだから」
『はい。おやすみなさい』
彰:「おやすみ」
そう言ってお互いに部屋に戻る。
明日からは安心して帰れるな。
．
ピコン
．
．
知らない人からの着信に気づいたのは、自分が目覚めた後だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雑多おむらいすVII(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです！ これからも頑張りたいと思いますので、宜しくお願い致します！ (2019年11月16日 21時) (
レス) id: 368f6167fa (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - 作品初めて読みました！最初から最後まで読みましたが続きが気になります。楽しみにしてますね！ (2019年11月16日 10時) (レス) id: ac04f3e538 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雑多おむらいす | 作成日時：2019年11月6日 23時
