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風邪 ページ12

『んん"ッ』

俺、登坂Aは風邪を引いたようです。




朝から喉が痛く、心なしか寒気もする。布団からでれない状態である。幸い、今日はOFFなので、一日中部屋から出ないようにしようと思う。

薬を飲もうと自分の部屋の戸棚を開ければ、其処には空っぽの薬の箱が有った。粗方、以前の風邪の際に飲んでしまったのだろう。薬を貰いに行くには、リビングにある棚まで行かなければならない。部屋から出ないと決心したばかりだが、薬を飲まねば元も子もない。


部屋の扉を開けると、樹さんがソファでスマホをいじっていた。彼もOFFなのだろう。


樹:「ん、A、おはよ」

『おはようございます…』


声もガスガスで、ボーカルをやっているとは思えない。


樹:「どうしたのその声。風邪引いた?」

『そうっぽい…です』

だから薬を、と言う前に目の前の景色が変わっていった。自分が倒れたと気付いたのは、目覚めた後だった。































『ん…』

目を開けて1番初めに目に入ったのは、俺の部屋の椅子で頭を下げて寝ている樹さんだった。

『痛っ…』

頭痛が酷い。熱は無さそうだが、喉の痛みと頭痛が酷い。
痛い頭を働かせ、何故自分がここにいるのか考える。時計の針は午後3時。さっきリビングに出たときは1時。そこから倒れたから…。


樹:「ふぁ…。

あ、A起きた? 大丈夫?」

『何とか…。すみません、部屋まで連れてきてもらって』

そう謝れば、樹さんは微笑んで

樹:「大丈夫だよ」

と言った。


樹:「そうだ、薬持ってくるから、ちょっとだけ待ってて」

そう言って出て行こうとする樹さんの服の裾を掴む。


樹:「…掴まれてたら、薬取りに行けないんだけど」

『…行かないで、ください』


無意識に自分の口から発せられた言葉。風邪を引いたとき、1人になるのが嫌だった事を思い出す。


樹:「薬取ってくるだけだから…ね?」

そう言って自分を宥める樹さん。また戻ってくるよ、と付け足して部屋を出て行った。



樹:「薬持ってきたよ。これ飲んで、また休みな」

『はい…』

粉薬が苦手な事を知っていて錠剤を持ってきてくれた樹さん。優しさが伝わる。


樹:「寝るまで傍にいるから」


その言葉を聞いて俺は眠りに着いた。




















『あれ、樹さんは?』

力:「風邪引いたらしいよ」

どうやら俺は移してしまったようです。

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雑多おむらいすVII(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです! これからも頑張りたいと思いますので、宜しくお願い致します! (2019年11月16日 21時) (レス) id: 368f6167fa (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - 作品初めて読みました!最初から最後まで読みましたが続きが気になります。楽しみにしてますね! (2019年11月16日 10時) (レス) id: ac04f3e538 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雑多おむらいす | 作成日時:2019年11月6日 23時

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