お持ち帰り厳禁。

目が合ったからしょうがない。 ページ6

〆．



「なんで……？」



流星さんは首を傾げる。



「……なんで…………いつもいつもそんな簡単に………！」



「え？」



「流星さんのせいで……今、訳わかんない感情に悩まされてるのに………なんでヘラヘラしてるの……っ！？」



流星さんの胸を叩く。



「私のこと好きなくせに……！本当は今日、せっかくお休みが被ったから一緒にお出かけしたかったのに……！」



「A、」



「女の人と歩いてて、それ見て私、すごく嫌な気持ちになって、なのに妹でした……なんて、もう、本当にむかつく！！」



私は、怒ってるの。



…………なのに、どうして？



「そんな……笑うとこあった？」



「嬉しくて、つい」



流星さんは頬をゆるゆるさせて、私を腕に閉じ込めた。



「その嫌な気持ちをな、やきもちっていうねん」



「やきもち……」



「やきもちは、好きって感情がないとやけへんの。つまりAは、俺のことが好きやねん」



「……………！？」



微かに見える流星さんの耳は、赤かった。



「んふふ、A、大好きやで」



「…………私は、認めてないもん」



「強情ー。キスしたらそんなこと言えんくなるで？」



「き、……しちゃダメだから！」



「えー……無茶言わんでやぁ」



こんなに可愛いのに、なんて最後に聞こえた流星さんの声。



あとは全部、



「………、」



私たちの唇に飲み込まれてしまった。



〆．

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