お持ち帰り厳禁。

粉もん〜ロシアンルーレット〜こたき ページ37

〆．



「女の子は大好きやで！」



………そう言ったものの、どんな女の子でもええってわけやない。



面食いな方やし、性格はええ子の方が好感度高い。



そんな理想高めの俺は、今まで誰かと結ばれたことがなく。



だからといって一夜だけの関係があったでもなく。



要するに、モテはするけど経験値ゼロの残念男なわけで。



合コンに参加することにしたんは、そんな自分を脱却するため！



ワンナイトでもなんでもええ、せめて可愛い子と卒業したい……！という超絶下心を抱え、待ち合わせ場所へ向かった。



でもやっぱり、経験なくてもええよって言う子がええな。



傷つくやん、「したことないの？！ダサ！」とか言われたら。



なんてモヤモヤしながら、指定の位置に座る。



「じゃ、乾杯！」



「かんぱぁぁぁい！！」



幹事の声に、持ち前のノリの良さで応える。



なんやなんや、女の子みんな可愛ええやん。



これは、誰でもええかなぁ……なんてクズ思考が生まれたりして。



しかし自己紹介タイムが始まって、俺はすぐに一人の女の子に目がいった。



………ふわふわ、清楚系。



王道やけど、どストライク。



顔も声も格好も仕草も全部可愛ええ。最強。



「胡桃Aです。よろしくお願いします」



ふわっと笑った彼女は、一人ひとりと目を合わせる。



小悪魔かもしれん。



女の子には嫌われる感じの。



……と、思ったけど、彼女は合コンであるにも関わらず、両サイドの女子から構われていた。



男女ともに好かれるタイプなんやろか。



じーっと見ていると、目が合う。



「…………？」



「…………っ、」



やばい。



こてん、とわざとらしく倒された首。



その定番の仕草に、俺はやられてしまった。



〆．

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