こんな恋知りました。 ページ34
〆.
「あのね」
Aはカバンからペットボトルのお茶を取り出し、ごくごく飲み込む。
俺はその横顔と喉に見入っていた。
「ぷはーっ!……へへ、自棄飲み。緑茶だけどね。………もうずっとこんなんだよ」
嘘や。だって、いつもあんなに幸せそうやったのに。
俺の言いたいことが伝わったのか、Aは眉を下げた。
「んー、まあ、繋ぎの存在だったんだよね。次の彼女ができるまでの、さ。気持ちはとっくの昔に冷めてた」
Aはどんな思いで過ごしてたのか。
俺は何も言えず、またブランコに腰を下ろす。
「そんなの、嫌じゃん?私何回も別れたいって言ったの。そんな関係ごめんだし。それに、私、」
Aが足元に視線を落とし、諦めにも似たため息をついた。
「あっくんのこと、好きなんだ」
「………………え、」
急なことで真っ白になる俺の頭は、なんとか今の状況を理解しようとしているけれど、パンク寸前。
「あっくん。…………私のこと、お持ち帰りして?」
俺の前に立ち、手を握ってくるから、そういうことかと一人で納得した。
Aは知ってたんや。
俺が、Aに好意を寄せていることを。
「俺ら、両想いなん?」
「あっくんが私のこと、好きなら」
自信ありげに言うから、つい笑ってまう。
なんや。
諦めかけてた恋は、再び熱を持つ。
「あいつも贅沢もんやな、こんなええやつを繋ぎとして横に置いとくなんて」
なぜか泣きそうになってるAに、もうひとつ確信する。
彼女はきっと、あいつに未練があるんや。
〆.
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玉ぴよ(プロフ) - 超キュンキュンしました!これからも応援してます。 (2018年11月5日 23時) (レス) id: 1c4ad40882 (このIDを非表示/違反報告)
A - めっちゃ面白いです!しげちゃんの話にはすごくキュンキュンしてすごく面白いと思いました!またしげちゃんの話が読みたいです! (2018年10月14日 11時) (レス) id: 97ee4eed06 (このIDを非表示/違反報告)
たこやき。(プロフ) - 流星くんの最初のみんなの会話がストーリーになってるんですねえ!!おどろき、びっくり、すごい発想ですね!!いっつも応援してます!(^ワ^=) (2018年10月12日 22時) (レス) id: 0144452d58 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃー♪ - お久しぶりです!新作書いたんですね!面白そうだなと思って呼んだら、はゆなさんの作品だったのでびっくりしました!応援してます! (2018年10月5日 16時) (レス) id: 9c8f74032d (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 初めまして。はゆなさんの作品たくさん見させていただいてます!もう全部私的ドストライクできゅんとくるし、はゆなさん天才やといつも思ってます…(;_;)これから更新頑張ってください!! (2018年10月5日 1時) (レス) id: 2b74abc4c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2018年10月4日 21時